せっけんの種類もいろいろあって、無添加は安心というイメージがあるかもしれませんね。
確かに洗顔せっけんなら無添加のほうが肌にはやさしいのですが、洗濯石鹸となると話は変わります。
洗濯石鹸にはアルカリ剤が助剤として配合されていることが多いです。
洗濯石鹸の原材料に炭酸塩と記載されていたら、それはほとんどの場合、炭酸ソーダのことで、アルカリ剤です。
無添加の石鹸の場合はアルカリの力がないので、洗濯液は酸性に傾きやすくなり、石鹸カスができやすくなります。
毎日の洗濯にはアルカリ助剤配合の石鹸がおすすめです。
ただし、シルクやウールなどアルカリに弱い線維を家庭で手洗いするときは無添加せっけんが適しています。
石鹸やアルカリの性質を把握した上で、洗濯するものの素材に合わせて上手に使い分けたいですね。
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毎日の洗濯はどんなふうにされていますか?
まとめて洗濯機に放り込んで、ボタン押すだけ!
みたいになっていませんか?
今日は、洗濯前にひと手間かけることで、衣類の寿命は全然違ってきますよということについてお伝えします。
オシャレ着や色落ちしやすい衣類はさすがに別洗いすると思いますが、それ以外の毎日の洗濯はまとめてポンという方が多いのではないかと思います。
でも、ちょっとしたひと手間で汚れ落ちも変わってくるし、何より衣類の寿命が変わってきます。
洗濯のコツ
■洗濯前にポケットの中を確認
■ファスナーがあるものは閉めておく
■洗濯ネットを使いわける
■洗濯物を選別する
それぞれについて説明します。
■洗濯前にポケットの中を確認
ティッシュペーパーや紙くずをポケットに入れたまま洗ってしまい、白い繊維が洗濯物すべてについてしまった!
なんて経験をしたことありませんか?
洗濯機に入れる前にポケットの中は確認しておきましょう。
縫い目にたまっているゴミなどは歯ブラシでかきだしておくと、綺麗に仕上がりますよ。
■ファスナーがあるものは閉めておく
ファスナーやホックをとめずに洗濯機をまわすと、他の衣類を傷つけてしまうことがあります。
ファスナーやホックはきちんととめて洗濯機に入れましょう。
■洗濯ネットを使いわける
デリケートな素材は洗濯ネットに入れて洗っていると思いますが、洗濯ネットを使い分けられるようになれば、洗濯レベルがグッとあがります。
デリケートな素材は目の細かいネットを使い、汚れが目立つ衣類には目の大きいネットを使うのが基本です。
本来は水洗いできない素材を洗うときには、ネットを二重にして洗うといいでしょう。
ただし、水洗い×の衣類を家庭で洗濯するときは自己責任で。
■洗濯物を選別する
洗濯機でいろいろな洗濯物を洗う場合、汚れを落とすことと同時に、汚れを他の洗濯物に移さないようにすることも大切です。
そのために必要なのが洗濯物の選別。
・白物と色柄物を分ける
・汚れがひどいものは下洗いをする
この2つがポイントです。
汚れがひどいものを一緒に洗うと、他の洗濯物に汚れが移ってしまいます。下洗いをしておくか、下洗いが面倒なら別洗いをしましょう。
また、シミがついている場合は、先にシミ抜きをしてから洗濯しましょう。
ふつうに洗濯するとシミが落ちにくくなることがあります。
以上、洗濯物を綺麗に仕上げるためのコツでした。
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最近は、いろんな柔軟仕上げ剤が販売されていますね。
香り付きのものも多く、洗濯の楽しみも増えているようです。
逆にその香りがイヤという人もいますし、敏感肌の方や赤ちゃんのいるご家庭では、柔軟剤の成分がイヤという人もいるかもしれません。
今日は市販の柔軟剤を使わずに、洗濯物をふっくら仕上げるコツをお伝えします。
普段の洗濯洗剤を洗濯せっけんに変えて、洗ってみてください。
すすぎが終わり近くになって水がキレイになったら、クエン酸を入れます。
使用量は、水30Lにつき約1gが目安です。
そのあとしばらく洗濯機を回して、衣類にまんべんなく行き渡らせたら脱水して干します。
クエン酸は衣類をふっくら仕上げてくれるだけでなく、保管中の黄ばみも防いでくれますよ。
洗濯石鹸と合成洗剤の違いは
同じ洗浄剤なのですが、石けんは天然油脂とアルカリで作られており、合成洗剤は化学合成によって作られた合成界面活性剤が原料になっている点です。
話しはそれますが、洗濯石鹸が使われなくなり、合成洗剤が主流になっているのは、石鹸の汚れ落ちの悪さが原因と思われます。
洗濯石鹸の水溶液は常温でpH10前後のアルカリ性です。
しかし洗濯をするとき、衣類に付いた皮脂汚れ(蛋白質や油脂)は石けんで洗われている内に分解され弱酸性の脂肪酸となります。
その酸にアルカリは中和されて洗浄力が落ちていくのです。
合成洗剤には炭酸塩やケイ酸塩などが配合されており、pH範囲を最適な洗浄条件に保つ働きがあるのです。
個人的には石鹸の特性を理解して使えば、肌にやさしいし、ふっくら仕上がるし、いいと思うんですけどね。
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界面活性剤とは混じり合わないもの、例えば水と油の間の界面に働いて界面の性質を変え、水と油を混じり合わせるようにする働きがあります。
油汚れのついた衣類を水だけで洗っても汚れは落ちませんが、洗剤を入れることで、ある程度キレイになりますよね?
洗剤にはほとんどの場合、合成界面活性剤が含まれているからです。
ところが、アルカリ剤には界面活性剤が含まれていないのに、油汚れが落ちるんですね。
これはなぜでしょうか?
油脂の成分である脂肪酸はアルカリで乳化されて溶けるという性質があります。
アルカリ剤が脂肪酸と結合して石鹸と同じ性質に変えてしまうためです。
石鹸になった汚れは水と馴染みやすくなり、はがれやすくなるんですね。
また、アルカリはタンパク質を溶かす働きもあるので、脂肪酸やタンパク質、油脂が混ざり合った皮脂や垢の汚れを洗い流すのにも効果的。
台所のベタベタする気分の悪い汚れも、油脂と脂肪酸が混じりあったものがほとんど。
だからアルカリ剤で落とすことができるのです。
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柔軟剤の効果はふっくら仕上げるだけではありません。
柔軟剤は、界面活性剤が繊維の表面に膜を作ることで、静電気を抑えて毛羽立ちや毛玉ができるのを防ぎます。
さらにホコリをつきにくくして黒ずみを防ぐ効果もあるんです。
柔軟剤もいろんな種類がありますが、性能に大きな差はありません。
香りの好みで選ぶのがいいでしょう。
柔軟剤を使うときの注意点は、洗剤と一緒に入れないこと!
一緒に入れる人は少ないと思いますが、洗剤と柔軟剤を一緒に入れるとお互いの働きを邪魔してしまいます。
すすぎが終わったタイミングで入れるようにしましょう。
漂白剤のタイプ
なかなか落ちないガンコな汚れには漂白剤を使うことありますよね。
漂白剤は大きく分けて「酸化型」と「還元型」に分かれます。
酸化型は「酸素系」と「塩素系」に分かれます。
洗濯のときに使われるのは酸素系漂白剤がほとんどです。
塩素系のほうが漂白力は上ですが、繊維に与えるダメージは大きいです。
酸素系漂白剤には、液体タイプ(弱酸性)と粉末タイプ(弱アルカリ性)があります。
色柄物には弱酸性の液体タイプを使い、色落ちをそれほど気にしなくてもよいなら弱アルカリ性の粉末タイプを使うとよいでしょう。
白物で汚れがひどいものは塩素系漂白剤を試してみてもいいでしょう。
漂白剤を使うときの注意点は「混ぜるな危険」というやつです。
酸素系漂白剤と塩素系漂白剤を混ぜると塩素ガスが発生します。
塩素ガスは刺激性のある黄緑色の気体。
空気より重いので、発生すると低いところに流れます。
低濃度でも鼻やのど、目に刺激を感じ、吸入すると肺水腫を起こす可能性があります。
許容濃度を超えると死に至ることもある危険なガスです。
これは本当に気をつけたほうがいいですね。
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