
エルメスのバッグといえば、バーキン、ケリーですね。
世界のセレブの御用達アイテムです。
エルメスの創業者、ティエリ・エルメスはもともと馬具を作る職人でした。
1837年、パリに店を出しましたが、しばらくは馬具のお店だったんですね。
でも、もともとが馬具店であったからこそ、皮革製品で世界のトップクオリティを維持できているともいえます。
というのが、皮革製品のなかでも、馬具は特に高度な技術が必要だからです。
エルメスのバッグには、馬具を作ることで培った技術がいたるところに盛り込まれています。
ケリーバッグも実は鞍を入れる鞄が原型なんですよ。
ケリーバッグといえば、蓋をベルトで止めるデザインで、多くの女性を魅了しています。
これも最初はデザインというよりも機能性から考え出されたものなんです。
エルメスがバッグを作りはじめた時代は、まだファスナーがありませんでした。
その時代に、動いても鞄の蓋がしっかり閉まるように工夫されたのが、ベルトで留める方式です。
ところでケリーバッグのもともとの名称は「サック・ア・クロア」でした。クロアというのはベルトのことです。
ベルト付サックという意味合いでしょうか。
それがケリーバッグとなったのは、モナコの王妃となったハリウッドスター、グレース・ケリーが1965年に、妊娠したときに愛用のバッグで腹部を隠した写真が「ライフ」という雑誌の表紙を飾って以降です。
ちなみに、バーキンも名前の由来は女優のジェーン・バーキンです。
ケリーバッグという名前になってから、このバッグは世界中で爆発的に売れるようになったんです。
ステマじゃないと思いますが、エルメスもラッキーでしたね。
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昔、ジュリアロバーツ主演の「プレタポルテ」という映画がありました。
パリ・コレクションの舞台裏に隠された裏切りや欲望が渦巻く人間模様を描いたロバート・アルトマン監督によるドラマです。
パリ・コレを見つめなおした映画ですが、ラストシーンは意表を突かれましたね。
群像劇を作らせたら、アルトマン監督の右に出るものはないでしょう。
映画好きなら押さえておきたいですね。
さて、この題名にもなっている「プレタポルテ」という言葉について。
プレタポルテとは、フランス語で「高級既製服」という意味です。
オーダーを受けて作る服は仕立服ですが、高級仕立服のことを「オートクチュール」といいます。
この高級仕立服屋さんが、100年以上前に、高級衣装店組合というのを結成したのですが、「プレタポルテ」のブランドというのは、この高級衣装店組合に属しているブランドが作った既製服のことです。
または、パリ・コレやミラノコレクションなどの高級既製服展示会に出品しているブランドのことも「プレタポルテ」といいます。
代表的なブランドは、グッチ、シャネル、エルメス、プラダ、ルイ・ヴィトンなどですね。
ファッション雑学でした。
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昨日はプレタポルテについてお伝えしましたが、プレタポルテ(ハイブランド)ってどんなイメージですか?
一般的な商売では、お客様にリピートしていただくために、お客様との関係を深めようとします。
店舗ビジネスであれば、店頭での接客が最重要ですね。
親近感を持っていただくということがポイントかなと思います。
AKB48のビジネスなんて、キーワードはまさに「親近感」ですよね。
「会いにいけるアイドル」がコンセプトですから。
ブログやインスタグラムで日常生活を公開するのも、親近感を持ってもらうためです。
このようにお客様との人間的な関係性を深めるというのが主流ですが、ハイブランドの商売スタイルは違います。
ハイブランドのイメージといえば、
というところでしょうか。
ブランド側もこのようなイメージを意図的に与えるようなブランディングを行っています。
このようなイメージを与えるために、ハイブランドは顧客との距離感を重視します。
顧客から距離を置くことで高級感、エレガントといったイメージを保っています。
ハイブランド品は身につけるだけで、その人の価値やステイタスが上がったように感じます。
それも、ブランドと顧客の一定の距離感があるからこそです。
シャネルやヴィトンから「○%OFFセール」みたいなDMがきたら興ざめですもんね。
こんな商売したいなあ。
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男性にとっては身近なアイテム「ワイシャツ」。
背広の下に着るシャツのことをひっくるめてワイシャツといいます。
ワイシャツという呼び方は日本独自です。
英語ではホワイト・シャツ。それが訛って「ワイシャツ」と呼ばれるようになりました。
ワイシャツと言われ始めたのは大正の初期。
明治時代は「白じゅばん」と呼んでいたようです。
さてそんなワイシャツですが、いまではいろんなデザイン、カラーがありますね。
ホワイトだけではなくカラフルなシャツも増えています。
デザインの中でも今日は襟について。
ボタンダウンのシャツは、襟の先についている小さなボタンで襟を留めますよね。

これって何のために留めるようになったかご存知ですか?
ブルックス・ブラザーズというブランドは今でもありますが、ここの当主のジョン・ブルックスという人が、1900年にイギリスでポロ競技を観戦していたときのことです。
ポロ競技というのは、馬にまたがった選手が棒でボールを打ち合って得点を競うゲームです。
イギリスでは最上級に優雅なスポーツで貴族のするスポーツでした。
当時は、服装も整えて、襟のあるシャツ着用が義務付けられていました。
ジョン・ブルックスさんはそのポロ競技を見ているときに、選手がボールを打つたびにシャツの襟が頬に当たるのを気にしていることに気付きました。
これはプレーに支障をきたすだろうということで考えたのが、襟をボタンで留めるということです。
そしてブルックス・ブラザーズ社として、ボタンを留めるシャツを開発し、ポロ・カラー・シャツと名づけました。
それがやがてボタンダウンとしてニューヨークで定着したようです。
ネクタイをするときはボタンダウンじゃなくていいのですが、これからクールビズになったときは、通常の襟だと、首周りがしまりません。
クールビズのときはボタンダウンは重宝しますね。
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私自身は根っからの右利きなのですが、たまに左利きの人に出会うと、「おぉ、なんかカッコいいなあ」と思ってしまうのは私だけでしょうか。
字を書くのは大変そうですけどね。
なんでも世界では左利きの人の割合は約11%だそうです。
女性より男性のほうが4倍くらい左利きが多いみたいです。
日本では左利きの人の割合は約12%。
9人に1人は左利きということですから、思ったより多いですね。
でも逆にいえば、9人中8人は右利きなわけです。
右利きだと、シャツのうちあわせは右前のほうがボタン留めやすいですよね。
男性のシャツは右前なのですが、女性用のシャツって左前じゃないですか。
右利きなのに、左前だとボタン留めにくいはず。
着物のうちあわせは男女とも右前なのに、なぜ女性用のシャツは左前なのでしょうか?
昔、ヨーロッパでボタン付のシャツを着られるのは上流階級のご婦人だけだった時代のこと。
洋服屋が仕立てるボタン付のシャツは一般庶民に手が出せるようなものではありませんでした。
今でいうセレブしか着ることができなかったんですね。
そんな女性たちは、自分で服を着たりしません。
召使たちに着せてもらっていたんです。
そのため、女性用のシャツのうちあわせは召使がボタンをかけやすいように左前に作られたみたいですね。
現代で、召使に服を着せてもらう女性はさすがにいないと思いますが、昔からの慣習で女性用のシャツは左前のままなんです。
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