漂白剤の使い方は?基礎知識と正しい使い方を目的別に徹底解説
自宅で洗濯する際に「漂白剤」を使っていますか?
色落ちする可能性や「混ぜるな危険!」といった表記から、「失敗したら怖い…」と思い、あまり使っていない方もいるかもしれません。
しかし、衣類の汚れによっては、洗剤と漂白剤を一緒に使うことでキレイに仕上げることができる場合もあります。
「漂白剤」は使い方を守って使えばとても便利で、汚れを落とすのはもちろん、除菌やウイルス除去の効果が期待できる物もあるので、衣類を清潔に保つために欠かせないアイテムなのです!
この記事では、衣類用「漂白剤」の基礎知識から、種類と特徴、正しい使用方法、漂白剤を使用した方がいい汚れの見分け方まで詳しく解説します。
汗から生じる臭いや雑菌、ウイルスが気になるときに「漂白剤」が大活躍すること間違いなしです!
1. 漂白剤とは?基礎知識を知ろう
洗濯物の汚れには、汗や油、泥などさまざまな汚れがありますが、汚れの程度がひどくなければ、普通の洗濯洗剤でも十分汚れが落ちる場合がほとんどです。
しかし、汚れの中にはカレーやケチャップなどの「色素」が含まれる場合があります。一般的な洗濯洗剤は、汗や油などは落ちやすいものの「色素」を落とすのが苦手なため、洗濯をした後に「カレーの色が残っていた…」という経験をした方も多いのではないでしょうか。
その点、漂白剤は一般の洗濯洗剤が苦手とする「色素」を落とすことを得意としており、化学反応によってシミや汚れを分解し、色を消失させるという特徴があるのです。
漂白剤は、大きく「塩素系漂白剤」と「酸素系漂白剤」の2種類に分かれます。
どちらも汚れを分解して落とすものですが、酸素系よりも塩素系の方が汚れを落とす力が強いため、柄物や色物の衣類に使うと、色落ちしてしまうので注意が必要です。
2. 衣類用の漂白剤の種類と選び方
漂白剤には「塩素系」と「酸素系」に加えて、「還元型」という種類もあります。
ここからは、塩素系、酸素系、還元型漂白剤それぞれの特徴と選び方について見ていきましょう。
塩素系漂白剤の特徴と、洗濯に向いている衣類や汚れ
「塩素系漂白剤」は液体タイプの漂白剤です。
主に綿や麻、ポリエステルやアクリルなどの衣類に使用でき、白物をキレイにしたいときに向いています。また、強い殺菌作用や除菌効果も期待できます。
使用上の注意点として、体にとって有害なガスが発生する可能性があるため、他の漂白剤と混ぜないこと、そして使用時には必ず換気をするようにしましょう。
また、塩素系漂白剤には強力な漂白効果があるため、色や柄のある衣類だと色落ちしてしまったり傷ついたりしてしまう可能性があります。
そのため、塩素系漂白剤は、白い衣類のシミ抜きや黄ばみのあるタオルなどにはおすすめですが、柄物や色物の衣類には使用しないようにしましょう。
他にも、金属製のボタンや装飾が付いている衣類は、変形する恐れがあるため使用できません。
酸素系漂白剤の特徴と、洗濯に向いている衣類や汚れ
酸素系漂白剤には「液体タイプ(酸性または弱酸性)」と「粉末タイプ(弱アルカリ性)」があります。「洗濯表示」タグに「漂白剤不可」の記載がない場合、ほぼ全ての衣類に使用可能です。
汗ジミやキッチンの油汚れなどは「酸性」の性質を持つため、汚れ落としを重視するなら粉末タイプ(弱アルカリ性)がおすすめ。
ただし、「タンパク質」は弱アルカリ性に弱いため、タンパク質を含むウールやシルク(絹)などの動物繊維には「液体」タイプを用いましょう。
液体の場合は、ウールやシルク製品に使えると同時に、汚れた部分に直接つけることができます。粉末を溶かしたりつけ置きしたりする手間が省けるのでとても便利です。
また、子供の食べこぼしやワイシャツの黄ばみといった部分的に汚れた箇所をすっきり落とすのにもおすすめです。
還元型漂白剤の特徴と、洗濯に向いている衣類や汚れ
還元型漂白剤は「粉末タイプ(弱アルカリ性)」の漂白剤です。強い漂白力や殺菌効果は期待できませんが、「塩素系漂白剤」で落ちなかった汚れや、汗による黄ばみを落とすときにおすすめです。
特に、鉄サビによる汚れには強く、キレイに落とすことができます。仕事や日曜大工などで鉄サビがついてしまった作業着や、子供が鉄棒で遊んで汚してしまったときなどには還元型漂白剤を使ってみてください。
ただし、ウールやシルクなどの動物繊維の衣類は、粉末が繊維の奥に入り込んで落ちにくくなるため使用しない方が良いでしょう。
また、「還元型漂白剤」の弱アルカリ性には、色そのものを変化させる性質があるため色柄物にも使用できません。
3. 汚れの種類と汚れを見分けるポイント
一言で汚れといっても、汚れの種類は食べこぼしや血液、汗による黄ばみなどさまざま。洗剤だけでいいのかそれとも漂白剤を使った方がいいのか、迷うことも多いでしょう。
ここでは、衣類などの汚れの種類や見分け方、洗い方のポイントについて解説していきます。
洗剤だけでも落ちやすい汚れ
水に溶けやすい水溶性の汚れである、コーヒーやしょうゆ、ソースなどは洗剤だけでも落ちやすいです。
一見、色の濃い汚れなので、白いシャツなどについてしまうと「落としにくいシミになるのでは?」と思う方も多いかもしれません。しかし、汚れがついてから時間が経っていないときや、小さいシミのときは洗剤で十分キレイにできます。
洗い方のポイントは、調味料などをこぼしてしまった部分に、直接洗剤をつけてもみ込んだらいつも通り洗濯しましょう。もみ込むときは、シミが広がらないように注意してください。
洗剤と漂白剤どちらも使用すると落ちやすい汚れ
赤ワインや紅茶、カレーやミートソースなどの汚れは、洗剤だけではキレイに落とすことが難しい汚れです。
赤ワインや紅茶にはタンニンが含まれていて、いつも通りの洗濯では落ちにくくシミの原因になってしまいます。
また、カレーやミートソースの汚れが落ちにくいのは、水と油の両方の成分が混ざっているから。しょうゆのように水に溶ける汚れと、サラダ油や口紅などの油に溶ける汚れの2種類が混合することで、洗剤だけではキレイに落ちない汚れになってしまいます。
そのため、これらの汚れがついてしまったときは、洗濯機で洗う前に漂白剤で少しつけ置きしておくと、キレイに落ちやすいです。
洗剤や漂白剤を使っても落とすのが難しい汚れ
衣類についた汚れの中には、漂白剤を使用しても取れないタイプの汚れもあります。代表的なのが、ガムのような粘着力の高い汚れ。洗剤や漂白剤でも落としにくく大変厄介です。
もし、ガムが衣類についてしまったら、まず洗濯をする前に冷やして固めましょう。付着してすぐなら、冷やすだけでポロっと取れることがあります。固めた後にガムテープを貼って取ると、さらに剥がれやすくなります。
それでも取れない場合は、サラダ油やクレンジングオイルを使ってガムの成分を溶かすのもおすすめです。
ガム以外にも、液体中にタンパク質が含まれている血液や牛乳などは、時間が経つと固まってしまい漂白剤でも落ちなくなります。また、赤ワインやインクなども時間が経過すると衣類自体が染まってしまい、なかなか漂白剤では取れません。
このように、汚れてから時間が経過してしまい、漂白剤でも落ちなくなってしまったシミは、プロのクリーニングにお任せすることをおすすめします。
4. 【目的別】漂白剤を使った洗濯方法と注意点
ここからは、漂白剤を使用した具体的な洗濯方法について解説していきます。
漂白剤は使い方を間違えると衣類にダメージを与えてしまう可能性があるので、漂白剤を使用する場合の注意点についても併せてご紹介します。
最初に、漂白剤を使用する際に必ず下記の注意点を確認しておきましょう。
- 含まれる成分が異なるため「食器用漂白剤」は使用しない
- 洗濯表示を確認し「漂白剤不可」と記載された衣類には使用しない
- 色柄物は色落ちしないか事前に確認する
- 体にあまりよくないガスが発生するため、使用時は換気しゴム手袋をはめる
- 複数の「漂白剤」を増せない
「衣類全体の汚れ」を漂白する使い方
「衣類全体の汚れ」を漂白する場合は、「漂白剤」を使用します。最初から衣類全体に使うのではなく、まずは目立つシミに使ってから衣類全体に。詳しい手順は、以下を確認してください。
- 衣類に目立つシミが付着していたら、シミ部分の下にタオルを敷く
- シミ部分を水でぬらし、「漂白剤」を付ける
- シミの部分だけ手でやさしくもみ洗いする
- 軽く水ですすぐ
- この時点でまだシミが残っていたら、40度くらいのぬるま湯が入った洗面器に中性洗剤を適量入れて溶かす
- さらに適量の「漂白剤」を入れ、衣類を30分程度つけ込む(色落ちしていないか時々確認する)
- 水で軽くすすぐ
- シミが落ちたら、通常の水洗いで洗濯する
衣類全体を漂白すると、目立つシミを落とすだけでなく、衣類の除菌や消臭にも役立ちます。また、漂白剤を使って洗濯すると、部屋干しの嫌な臭いにも効果的です。
特に、梅雨時や台風シーズン、雨や曇りの日が多い時期は湿度が高くなり洗濯物の生乾き臭が気になりますよね。そんなときにも衣類の全体を漂白すると、臭いの原因となる雑菌の増殖が抑えられます。部屋干しの臭いが気になる方もぜひ一度試してみてください。
「部分汚れ」を漂白する使い方
衣類全体ではなく「部分汚れ」だけを漂白したい場合は、以下の手順で洗濯してください。
- シミ部分の下にタオルを敷く
- シミ部分を水でぬらし、「漂白剤」をシミの部分に直接塗る
- 綿棒でやさしく上から叩く
- 「漂白剤」は高い温度の方が効果を発揮しやすいため、ドライヤーを1分程度当てた方が効果的(ドライヤーはシミから10~15cmほど離しましょう)
- 「漂白剤」に記載された指定の時間通り、しばらく放置する
- 水で軽くすすぐ
- シミが落ちたら、通常の水洗いで洗濯する
「洗濯表示」タグに「アイロン不可」と記載されている場合、素材によっては熱に弱く変形する恐れがあるので、ドライヤーなどで乾かすのは避けましょう。
また、デリケートな素材など、酸素系漂白剤では洗えない衣類については無理に自分でシミ抜きをせず、プロのクリーニングに依頼することをおすすめします。
「通常の水洗いで落ちなかった汚れ」を漂白する使い方
「通常の水洗いで落ちなかった汚れ」は、いつもより長く「漂白剤」につけておくと落ちる場合があります。洗い方は以下の手順です。
- 40度くらいのぬるま湯に中性洗剤と粉末、または液体の「漂白剤」を入れて混ぜる
- 衣類を入れて30分~2時間ほどつけ置きする(生地を傷める可能性があるので、2時間以上の放置はNG)
- つけ置き液ごと洗濯機に入れて洗濯する(漂白剤が使用できない衣類と一緒に洗濯しないよう注意)
酸素系の漂白剤やつけ置きでも落ちなかった場合は、還元型漂白剤を使ってみることで落とせる汚れがあるかもしれません。
先にお伝えしたとおり、還元型漂白剤は鉄分や赤土などの汚れを落とすのが得意な漂白剤なので、汚れの種類によっては効果を発揮する場合があります。あきらめる前に一度試してみましょう。
もし、いろいろ試した結果、どうしても汚れが落ちないという場合は、何度も「漂白剤」を使うと衣類が傷む可能性があるので、無理をせずクリーニング店へお任せしましょう。
「細菌やウイルスを除菌・殺菌」する使い方
「漂白剤」はシミを落とすためだけの洗剤と思われがちですが、細菌やウイルスの除菌・殺菌にも役立ちます。漂白剤を使って洗濯物を除菌・殺菌する手順は以下のようになります。
- 40度くらいのぬるま湯に中性洗剤と「塩素系漂白剤」を入れて混ぜる
- 除菌・殺菌したい衣類を入れて30分~2時間ほどつけ置きする(生地を傷める可能性があるので、2時間以上の放置はNG)
- つけ置き液ごと洗濯機に入れて洗濯する(漂白剤が使用できない衣類と一緒に洗濯しないよう注意)
塩素系漂白剤は、消毒用アルコールよりも効果があるいわれています。厚生労働省が公表している資料によれば、濃度を0.05%に薄めて使うことで、ドアノブや食器などの消毒にも使用できます。
※出典元:厚生労働省「感染防止対策」
「水洗い不可」の場合
「洗濯表示」タグに「水洗い不可」と記載された衣類は、「漂白剤」はもちろん水が使えません。無理に漂白剤や水を使用して洗濯しようとすると、衣類が以下のような状態になる恐れがあります。
- 色落ちする
- 縮む
- シワや型崩れを起こす
- 毛羽立ちが目立つ
「水洗い不可」かつ「ドライクリーニング可」と記載された衣類は、クリーニング店のドライクリーニングにお任せしましょう。
5. 1着ずつ適切な洗濯をするのは手間!そんなときは「RE:KURI(リクリ)」の「汗抜き加工」
自宅で漂白剤を使用するとき、衣類をまとめてつけ置きしたいですが、中には「漂白剤使用不可」の衣類もあるため、1着ずつ判別して使用するのは結構手間がかかります。
さらに、1着ずつ丁寧に洗ったとしても、やり方を間違えて失敗する可能性も…。
そこでおすすめしたいのが、宅配クリーニング「RE:KURI(リクリ)」の「汗抜き加工」!
「汗抜き加工」とは、リクリの洋服パックのオプションメニューの一つで、特殊な溶剤を用いて汚れを落とす洗濯方法です。「水洗い不可」の衣類でもダメージを最小限にして汚れを落とすことができます。
「水洗い不可」で汚れが気になってきている衣類や、漂白剤が使えない衣類、漂白剤を使用すると傷む可能性があるデリケートな衣類は、洗濯のプロに任せるのが一番です!
「汗抜き加工」については、下記の記事で詳しくご紹介しているので併せて読んでみてください。
関連記事:汗抜き加工で衣類が長持ち?クリーニング店の汗抜き加工とは
「水洗い不可」の衣類のみをクリーニングに出し、その他の衣類は自宅で洗う、というように「自宅洗い」と「クリーニング店」を上手に使い分けることで、衣類が長持ちするだけでなく、家事の時短にもなりますよ。
■「汗抜き加工」の料金 |
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1点 770円 |
2点 1,540円 |
3点 2,310円 |
4点 3,080円 |
※料金は全て税込価格です。
クリーニングに出す衣類のうち、汚れが気になってきている衣類は「汗抜き加工」をつけてはいかがでしょうか?
また、リクリの簡易シミ抜き(無料)で落とせないシミの場合、「有料シミ抜き」サービスをご用意しています。
もし頑固なシミ汚れができてしまっても、諦めずにぜひリクリのシミ抜きをご利用してみてください。
6. 漂白剤を正しく使って衣類をキレイに保とう!
漂白剤は普段の洗濯にプラスすることで、衣類の汚れを落とし、殺菌・除菌効果で清潔に保つことができる優れものです。強い力で漂白できる塩素系、色柄物にも使える酸素系、汚れから酸素を奪って漂白する還元型漂白剤と種類があるので用途に合わせて選びましょう。
漂白剤を使うのが不安な場合や手間だと感じるときは、宅配クリーニングがおすすめです。
自宅にいながらインターネットで依頼ができて、集荷・受け取りに店舗まで出向く必要もありません。毎日仕事で忙しい方や、育児や家事で忙しいという方には特におすすめです。
漂白剤の正しい使い方を知り、自宅でできない物は宅配クリーニングを利用しながら清潔な衣類を維持しましょう!