クリーニングの水洗いとドライクリーニングの違いとは?

衣類などの代表的なクリーニング方法に「水洗い」と「ドライクリーニング」があります。
「2つの違いがいまいち分からない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「水洗い」と「ドライクリーニング」にはそれぞれにメリットとデメリットがあります。
そのため、2つの違いを理解し衣類や汚れの種類によって使い分ける必要があります。
この記事では、「水洗い」と「ドライクリーニング」の違いを比較しながら、それぞれの特徴やメリットとデメリットなどをまとめてご紹介します。
1. 水洗いとドライクリーニングの違いを比較
まずは、水洗いとドライクリーニングの違いをしっかり押さえましょう。
2つの大きな違いは、落とせる汚れの種類です。
水洗いとドライクリーニングそれぞれの洗い方と落とせる汚れの違いを、比較しながらご紹介します。
クリーニングの際に水を使うか使わないか

水洗いとドライクリーニングの大きな違いは、汚れを落とす際に水を使うかどうかです。
また、水洗いとドライクリーニングのどちらを利用したらよいかは、衣類の種類によって判断しましょう。
【水洗いとドライクリーニングの洗濯方法】
水洗い | ドライ クリーニング |
|
---|---|---|
洗濯方法 | 40~60℃の温水を使って洗濯する方法で、洗剤・石鹸・漂白剤を使う | 有機溶剤(ドライ溶剤と呼ばれる石油系の薬剤)で汚れを溶かし落とす |
適した衣類 | 水洗いに耐性がある衣類 | 洗濯表示が「ドライ」の衣類 水洗いに耐性が低い衣類 |
水洗いは温水で衣類を洗う技法で、洗剤や漂白剤を使って汚れを落とします。
一方でドライクリーニングは水を使わず、有機溶剤を衣類の汚れに直接塗布して溶かし落とす技法です。
水を使って洗ったほうがよいかどうかは、衣類の種類に左右されます。
水洗いに対して耐性がある衣類なら、水洗い・ドライクリーニングの両方が使えますが、水に弱い生地や繊細な装飾が施された衣類は、ドライクリーニングのみが可能です。
「水洗い」「ドライクリーニング」はどちらもよく聞く技法ですが、洗濯方法や適している衣類は違うことを覚えておきましょう。
落とせる汚れの種類
水洗いとドライクリーニングの違いは、クリーニング方法や衣類の種類だけではありません。
落としたい汚れによっても、使い分ける必要があります。
クリーニングのプロは、汚れや生地の種類・状態から、最適なクリーニング方法を判断し作業します。
水洗いとドライクリーニング、それぞれどのような汚れを落とすのに適しているのか、ご紹介します。
クリーニングを依頼するときにどちらを選べばいいか参考にしてください。
水洗いで落とせる汚れ
水洗いは、温水を使って洗濯するため水溶性の汚れが多い場合に使われます。
しかし、洗剤などの効果により脂溶性の汚れも落とすことも可能なため、水洗いであっても水溶性・脂溶性のどちらの汚れにも効果があります。
■水洗いで落とせる汚れの例
- 汗や皮脂の塩分による汚れ
- 血液や尿の汚れ
- 乳酸やたんぱく質汚れ
- 糖分を含んだ汚れ
- アルコールを含んだ汚れ
- たばこのにおい
水洗いでは水溶性・脂溶性の両方の汚れを落とせますが、どんな汚れでも完璧に落とせるわけではないので、ご注意ください。
ドライクリーニングで落とせる汚れ
ドライクリーニングは油汚れを溶かす薬剤を使用するため、脂溶性の汚れを落とすには最適な方法です。
水溶性の汚れはほとんど落とせないですが、脂溶性の汚れを落とす力は水洗いより効果が高いです。
■ドライクリーニングで落とせる汚れの例
- 皮脂の汚れやにおい
- 口紅やファンデーションなどの油分を含んだ化粧品汚れ
- ボールペンやマジックなどの油性ペンの汚れ
- 食用油やチョコレートなどの油分を含んだ食べ物の汚れ
これらの汚れは油分が主な成分であるため、ドライクリーニングでキレイになります。
しかし、脂溶性と水溶性の汚れが混ざり合っている場合、ドライクリーニングだけではキレイにできません。
そのため、ドライクリーニング後、水洗いを行うこともあるということを覚えておきましょう。
2. 水洗いクリーニングのメリットとデメリット

水溶性・脂溶性、どちらの汚れも落とせる水洗いクリーニングですが、メリットとデメリットがあります。
水洗いクリーニングのメリットとデメリットを詳しくご紹介します。
水洗いクリーニングとは?洗い方の特徴
水洗いクリーニングでは、洗剤や漂白剤などが溶けやすい40~60℃の温水を使って洗濯します。
水の温度が低いと洗剤や汚れが溶けず、逆に温度が高すぎると汚れやにおいが付着しやすいためです。
クリーニングで利用される薬剤の中には、肌に付着すると危険なものもありますが、水洗いクリーニングなら、水ですすぐと薬剤が落ちるため、肌への影響を最小限に抑えられます。
そのため、水洗いは肌着やワイシャツのような肌に直接触れる衣類に利用されることが多いです。
水洗いクリーニングのメリット
次に、水洗いクリーニングのメリットについて解説します。
■水洗いクリーニングのメリット
- 水溶性の汚れを落とす力が強い
- 石鹸や漂白剤などの強力な洗剤が使える
- 汗や黄ばみの予防ができる
- におい菌やカビ菌の除去
水洗いクリーニングは、水溶性の汚れに強いだけでなく、汚れやにおいの予防にも有効です。
また、石鹸や漂白剤などの汚れ・菌を落とす力が強い薬剤を使用したり、汚れが落ちやすい温水を使用したりするため、洗浄力や殺菌力が高いのも大きなメリットです。
汚れをしっかり落とせるので、汚れを放置することでできる汗ジミや黄ばみといった衣類のトラブルを防ぐこともできます。
水洗いクリーニングのデメリット
メリットがたくさんある水洗いクリーニングですがデメリットもあります。
衣類や汚れの状態によっては、相性が悪い場合もあることを覚えておいてくださいね。
■水洗いクリーニングのデメリット
- 脂溶性の汚れに対する洗浄力がドライクリーニングよりも弱い
- 型崩れやシワができる可能性がある
- 生地が傷みやすくなる
脂溶性の汚れを目立たないレベルにまで落とすには、ドライクリーニングが適しています。
水洗いでもある程度は落とせますが、完璧に落とせるわけではありません。
また、水洗いクリーニングは洗濯機を用いるため、衣類の型崩れやシワが起こりやすいことも覚えておきましょう。
クリーニング店でも、作業時は細心の注意を払って生地を取り扱いますが、それでも型崩れやシワの発生・生地へのダメージを完全に避けることはできません。
3. ドライクリーニングのメリットとデメリット

水洗いクリーニング同様、ドライクリーニングにもメリットとデメリットはあります。
続いてはドライクリーニングのメリット・デメリットを詳しくご紹介しますので、しっかり把握したうえで上手に使い分けましょう。
ドライクリーニングとは?洗い方の特徴
ドライクリーニングは水を使わずに、有機溶剤で汚れを落とすため、脂溶性の汚れに有効なクリーニング方法です。
そのため、カシミヤなどのデリケートな生地でも、衣類の伸びや縮み・色あせなどの心配がいりません。
ドライクリーニングは、家庭では落とせない汚れ、扱えない衣類に特化した技法です。
油汚れやシミ・ドライ表示の衣類はクリーニング店を利用しましょう。
ドライクリーニングのメリット
ドライクリーニングには、ほかのクリーニング方法にはないメリットがたくさんあります。
■ドライクリーニングのメリット
- 脂溶性の汚れに強い
- デリケートな生地の衣類もキレイにできる
- 風合いが損なわれにくい
- シワや型崩れが起こりにくい
ドライクリーニングは、家庭の洗濯や水洗いクリーニングでは落ちにくい脂溶性の汚れをしっかり落とせます。
また、水を使わず洗濯するため、型崩れや縮み・色落ちしやすいウールやシルクなどの素材も気兼ねなくクリーニングできます。
ドライクリーニングのデメリット
ドライクリーニングはメリットばかりではありません。
デメリットもあるため、注意が必要です。
■ドライクリーニングのデメリット
- 水溶性の汚れは落としにくい
- 黒ずみが残る場合がある
- 有機溶剤のにおいが残ったり、肌トラブルが起きたりする可能性がある
ドライクリーニングには水溶性の汚れを落とす力はほとんどありません。
そのため、水溶性の汚れには水洗いクリーニングを行う必要があります。
また、ドライクリーニングの溶剤は、石油系の薬剤のため、水と違って簡単に捨てることが出来ません。
そこで、フィルターなどで溶剤の汚れを吸着しながら循環させ溶剤を再利用しており、フィルターを通さずに同じ洗剤で洗い続けると、徐々に取り切れない汚れが溜まり、衣類が黒ずんだ仕上がりになる他、ドライ臭の独特な臭いが残る原因にもなります。
クリーニング店の中には、洗濯1回ごとにフィルターをかけてろ過し、常にキレイな溶剤を使用するように溶剤管理しているお店もあるので、予め利用するお店でのドライクリーニングの溶剤について確認しておくと安心です。
4. 水洗いとドライクリーニングの仕組みを理解したうえでクリーニングを利用しよう

水洗いとドライクリーニングには、それぞれメリットとデメリットがあります。
水洗いクリーニングの特徴は、水溶性の汚れを落とすのに優れ、汗や黄ばみを落とす力があります。
一方でドライクリーニングは家庭で落とせない汚れ、扱えない衣類に特化したクリーニング方法です。
これらの特徴を理解してクリーニングを依頼する際は汚れや衣類の状態を確認し、どちらが適しているかを判断しましょう。
宅配クリーニング「RE:KURI(リクリ)」では、衣類の状態の合わせて水洗い、またはドライクリーニングで適切に洗濯してくれます。
また、リクリは、洗濯1回ごとに、使用後の溶剤を専用のフィルターにかけてろ過し、溶剤に含まれた汚れをキレイに取り除いてから再利用しているので、安心ですね。
クリーニングをご検討中の方は、ぜひリクリまで相談してみてはいかがでしょうか。