今年は暖冬になるのでしょうか?
11月も下旬に差し掛かるというのに
一向に寒くなりませんね。
とはいえ、そろそろ冬物衣料が
必要になってくる時期です。
ダウンジャンバー、コート、セーター etc
これから着る冬物衣料ですが、
もし今年の春の衣替えのときに
きちんとお手入れしていなかったら
着る前にクリーニングしたほうがいいですよ。
空気を着る
「空気を着る」という感覚おわかりでしょうか?
冬物衣料の保温力を高めて
温かく着るためには、
「空気を着る」ことがポイントです!
衣服の繊維の間に、
できるだけ多くの空気を含ませる
ことで温かく着られるんですね。
空気は熱伝導度が小さいので
体温が逃げるのを防いでくれるんです。
ところが、衣服は着用を繰り返しているうちに
汚れや、着ているときの圧力によって圧縮され
空気を含む能力が低下します。
また熱伝導性も高まるので
保温性が低下したり、
着た瞬間に「ヒヤッ」と感じるようになります。
着用を続けたあとに
クリーニングせずそのまま放置しておくと
「空気を着る」ことができなくなります。
残ったままの汚れは
見た目が悪いのはもちろんですが、
通気性を低下させ、湿気を吸うようになり、
結果的に耐久性も低下してしまいます。
これから着ようと思って出した冬物衣料。
もし汚れが残っているようなら、
「着る前クリーニング」を提案します。
汚れを落としてふっくら仕上げ。
空気を含ませる能力を回復し
温かく着れるようになりますよ!
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互いに気が合わず反発し合って仲が悪いこと。
異質でとけ合わないもののたとえを
水と油って言いますよね。
誰でも知っているように
水と油は混ざりません。
水と油をコップに入れてよくかきまぜます。
どんなにかき混ぜても、
時間がたつと分離していまいますね。
分離したとき、上に来るのが油です。
どんなにかき回しても分かれてしまうのは
水と油の重さが違うからですね。
地球上では、重さの違うものは綺麗に混ざりません。
重いものは地球に強く引っ張られ、
軽いものは弱く引っ張られるからです。
水と油のように重さの違いの激しいものはうまく混ざりません。
水溶性の汚れは水にはとける(汚れが落ちる)のですが
油溶性の汚れ(油)は水にはとけません(汚れが落ちない)。
逆に、油溶性の汚れは油には溶けますが、
水には溶けません。
とすると、前回の汚れのイラストで
この汚れを落とすためには
まずは油で洗うことが必要です(ドライクリーニング)。
ドライクリーニングをすれば、
一番上の油汚れは落ちます。
でも、その下にある水溶性の汚れは
ドライクリーニングでは落ちません。
夏場に汗をかいたスーツを
ドライクリーニングしても
汗の汚れは落ちません。
そんなときは、ドライクリーニングのあとに
デリケートな水洗いを行なう
汗抜きクリーニングが必要です。
スーツのようにウールでできた衣類を
家庭の洗濯機でグルグル水洗いをすると
シワシワになって、縮んで、色が落ちて・・・
取り返しのつかないことになってしまいます。
家庭でおしゃれ着洗剤を使って
手洗いするのもありですが、
大切にしている衣類は
クリーニングに持ってきてくださいね。
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最近、おうち洗いOKの衣類が
どんどん増えていますね。
洗えるスーツとか。
クリーニングに出さなくても
うちでお手入れできますよ
というコンセプトで
どんどん新しい商品が生まれています。
クリーニング店を取り巻く環境は
年々厳しくなる一方です。
家庭用洗濯機や家庭用洗剤も
すごい進化しています。
クリーニング離れは今後も
どんどん進んでいくでしょうね。
家庭洗濯とクリーニングの違い、
クリーニングの存在意義を訴えて
いけないお店はどんどん
なくなっていくでしょう。
でも、まだ「おうちで洗えますよ」
くらいは可愛いものです。
もし、こんな商品が世の中に
現れたら・・・
クリーニング店どころか、
洗剤メーカーも消えてなくなるでしょう!
その商品とは!?
汚れない服
汚れがつかない服
すみません。
今世紀中には無理であることを祈ります。
冗談は横において
「汚れなんてつかなきゃいいのに」
というのが本音ですね。
でも、残念なことに衣服の汚れというのは
着ていなくてもつくんですよね。
目で見てわかる汚れもあれば、
目で確認できないような汚れもついています。
これらの汚れはそのまま放置しておくと
シミや黄ばみ、臭いの原因になってしまいます。
衣類の汚れはきっちり落としてしまうのが基本。
ここでは汚れの種類について考えてみます。
衣類につく汚れは
体から出るものによる汚れ
外からつく汚れ
に分けられます。
体から出るものによる汚れとは
汗や皮脂による汚れです。
外からつく汚れとは
空気中のチリやホコリ
自動車の排気ガス
タバコの煙
などなど。
こうした汚れを落とす
洗濯、クリーニングはとても大切な作業です。
効果的に汚れを落とすには
まず敵のことを知っておかなければなりません。
衣類につく汚れを先ほどとは
違う視点で分類すると
に分けられます。
油性汚れ
動物の脂肪や植物油の成分のほか、
鉱物性の油分も含まれます。
油性汚れの原因となるものは
私たちの体から出る皮脂
自動車の排気ガス
食べこぼし
などがあります。
不溶性汚れ
砂、ホコリ、鉄粉などです。
不溶性汚れの原因となるものは
主に空気中のチリの成分に含まれています。
水溶性汚れ
果汁、スープなどの飲食物、汗汚れなどです。
汗汚れは目に見えにくいものですが、
汗汚れが蓄積すると衣類が固くなります。
また、糖やタンパク質の汚れを放置すると
虫食いの被害に合いやすくなります。
これらの汚れを落とさず
アイロンをかけたりすると
変色やシミになる場合もあります。
特殊汚れ
食品のデンプンや血液汚れ、カビなどです。
衣服が水分を含んでいると
一度殺菌していても
空気中に胞子があると
カビは発生します。
これらの汚れは、どれかが単独で
ついているということは少なく
複合してついています。
それぞれの汚れには
適切な落とし方、落とす順番があります。
上のイラストのような汚れの構造だと、
最初に油汚れを落とさないと
水溶性汚れが落としにくくなります。
家庭では無理な汚れや、特に大切な衣類は
プロのクリーニング店にお持ち下さいね。
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最近の家庭用洗濯機の進化ってすごいですね。
家庭用の洗濯洗剤もいいものがたくさんあります。
昔は家庭では絶対に洗わなかったセーターなども、
洗濯機のドライコースにして家庭で洗う人が
増えてきていますね。
家庭用洗濯機のドライコースとクリーニング店のドライクリーニングは違います
そもそもドライクリーニングってご存知ですか?
ドライクリーニングは、フランスが発祥です。
19世紀にフランス人の染色業者ジョン・ジョリという人が、
たまたまこぼしたランプの油がテーブルクロスの模様を
消すことを見つけたのが最初と言われています。
そして、1855年のパリ万国博覧会で紹介され、
その後世界中に広がっていきました。
ドライクリーニングとは、
水で洗うと型崩れや縮み、色落ちなどが発生する衣類を
水の変わりに有機溶剤を使うことによって
風合いを変えないように洗う方法です。
有機溶剤とは溶解・抽出・洗浄などに用いる有機化合物です。
身近なものでは、石油や灯油、ガソリンなど有機溶剤です。
ドライクリーニングは、石油溶剤を使うことが多いです。
簡単に言うと、「水」ではなく「油」で洗うということです。
有機溶剤での洗濯は家庭ではできません。
クリーニング店しかできないんですね。
洗濯機の「ドライコース」というのは、
水を使い、洗濯槽をほとんど動かさずに、
衣類に強い力が加わらないようにやさしく洗うコース。
一方、クリーニング店で行なう「ドライクリーニング」は、
水を使うと縮んだり、型崩れしてしまうような
衣類を洗浄するのに適しています。
特に油性の汚れをよく落とすという特徴があります。
ウールやシルク、レーヨン製品などは
水洗いすると縮んだり、色が落ちたりと
風合いが変わります。
ドライクリーニングは、これらの衣類を
ほぼ風合いを変えずに洗えるというメリットがあります。
ご家庭でドライコースを使って、おしゃれ着を
洗濯される場合は、衣服に付いている洗濯絵表示のチェックと、
洗剤の注意書きをしっかり読んでから行いましょう。
おしゃれ着の中でも「縮んだら困るな」という
お気に入りの衣類は、プロのクリーニング店に
お任せくださいね。
ドライクリーニングでは落ちない、汗汚れも
汗抜きクリーニングで綺麗になります。
お気に入りの衣類を、大切に長く着るには、
着た後のお手入れが重要ですよ。
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「クリーニングすれば、きれいになる!」
と思って、皆さん大切な洋服を
出してくれます。
なかにはクリーニングに出せば
「新品と同じになる」と
思われている方もいらっしゃいます。
クリーニング屋の使命は、
大切にされている洋服を
一番いい状態に仕上げること。
家庭で洗濯するより
断然キレイになるし
アイロンだって家庭で
アイロンかけるより
めちゃめちゃキレイになります。
プロとしてお金いただいてますんで
当然ですね。
でも、クリーニングに出して
こんなことになることも。
元の状態の写真はありませんが、
ま、この状態で着るような人は
いないと思いますので
まともな状態だったのでしょう。
それがこんなことに
なってしまったんです!
この服の素材、ポリウレタンと言います。
フェイクレザーというほうが
わかりやすいですかね。
本革と同じような質感なのに
本革より全然安く買えます。
ここ10年くらいで増えました。
私もフェイクレザーのジャケット
何着か持っています。
ポリウレタンはソファーの
張地などにも使われています。
ポリウレタン素材のソファーって
長く使っていると
表面にヒビが入ったみたいに
ボロボロになった経験ありませんか?
ポリウレタンは、2種類の化学物質を
結合させ反応させることで
生まれた化合物です。
衣服で利用されるポリウレタンは、
服を作るときに結合させた部分が、
体から出る皮脂や空気中の水分、
大気ガス、熱、紫外線などによって
少しずつ分解されてしまうんです!
まったく着なくても分解されます。
鯛の刺身を冷蔵庫に入れておいて
触りもしないのに
そのうち腐ってしまうのと同じです。
衣類に使われているポリウレタンは
製造されてから2~3年しか持ちません。
ポリウレタン生地が製造されてから
2~3年で1度も着なかったとしても
ボロボロになってしまいます。
最初は目に見えない劣化が
クリーニングによって表面化
することがあります。
それがコレ。
プロのクリーニング店も
こればかりはどうしようもないんです(w_-; ウゥ・・
劣化のはじまりは、
買ったときではなく、
製造されたときからです。
アウトレットとかネットオークションで
洋服を買う人も増えてきましたが、
買ったとしても、すぐに着れなくなって
しまうかもしれません。
ポリウレタン素材を
使った衣類は、いつ製造されたものか
を確認してから買ったほうがいいですよ。
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