お気に入りの洋服は自分で洗濯して失敗したくないですよね?
でもクリーニング代は気になる・・・
そんなときは、クリーニングに出さなければならない洋服と、自分で洗う洋服をきちんと分けておきましょう。
分けるときのポイントは洗濯表示です。
自分で洗濯できるかどうかは、洗濯表示と素材をあわせて考えます。
基本的には洗濯表示にあわせた洗い方をするのが無難ですが、洗濯表示で水洗いが×になっているものがありますね。
このような洋服は家庭では洗濯できないのでしょうか?
実はそんなことはなくて、素材や洗い方によっては、自分で洗える場合もあります。
ただし、絶対に失敗したくないお気に入りの洋服はクリーニングに出してくださいね。
洗濯表示についている「ドライマーク」については、誤解されている方も多いようですが、「ドライクリーニング可」という意味で、ドライクリーニング以外では洗えない、という意味ではありません。
自分で洗濯できるかどうかは、素材の特性によるところが大きいので、それぞれの素材の特徴を知っておくことが洗濯上手への近道です。
シワになりやすい素材、熱に弱い素材、色落ちしやすい素材など、それぞれの繊維には特徴があります。
⇒ 繊維の特徴について
素材別洗濯のしやすさはこんな感じです。
洗濯しやすい素材
・ポリエステル
・ナイロン
・アクリル
洗濯しにくい素材
・カシミヤ
・アンゴラ
・ポリウレタン
・レーヨン
・キュプラ
・シルク
もうひとつ考えておかないといけないのは色落ち具合。
色物をはじめて家庭で洗うときは、目立たない部分に洗剤をつけて軽くこすってみましょう。
これで色落ちしやすいかどうか判断できます。
色落ちが激しい衣類は、水につけるとさらに色落ちしやすいので、クリーニング店に任せてくださいね。
お気に入りの洋服であればあるほど、家庭で洗濯するときは慎重に。
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ポリウレタンは、1940年頃ドイツで開発された、5~10倍の伸縮性を持つゴムのような繊維。
合成皮革で出来たコートや、伸縮性の優れたストレッチ製品やスポーツウェアなどに使われているのがポリウレタンです。
フェイクレザーなどとも言われることがあり、皮のような質感なのに安く手に入れられるということで人気です。
伸縮性もあるのでスリムタイプのパンツでもラクにはくことができます。
ポリウレタンの特徴
- ゴムのような伸縮性がある
- 天然ゴムと異なり、染色性がある
- 温度や湿度の急激な変化に強い
- 塩素や光、カビなどにより脆化することがある
メリットの多いポリウレタンですが、実は致命的な弱点があります。
衣類に使われるポリウレタンは製造されてから通常2年から3年で寿命です。
2年から3年といってもあくまで目安であり、使用環境や取扱い方法により劣化のスピードが速まることもあります。
ポリウレタンを使用した衣類を購入するときは
- 着用してもしなくても劣化は進むこと。
- 劣化の始まりは「購入時」からではなく「製造時」からであること。
この2つを理解した上で購入することをおすすめします。
ポリウレタンが劣化するとこんなことになります。
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ナイロンは世界初の合成繊維です。
合成繊維とは石油などの原料から人工的に合成される繊維のことです。
よく混同されますが、合成繊維と再生繊維は違います。
再生繊維は原料がパルプのように天然に存在するもののセルロースを溶かして繊維に再生したものです。
レーヨンやキュプラは再生繊維です。
それに対してナイロンは合成繊維です。
ウインドブレーカー、スキーウェアなど冬用のスポーツウエアなどの衣類に使われることが多いので、なじみのある素材だと思います。
最近は旅行バック、カジュアルバック、ビジネスバックにもよく使われています。
ナイロンは他の合成繊維に比べて摩耗に強く、しなやかな感触をもっています。
ナイロンの特徴
■吸湿性が低く早く乾き、洗濯が簡単
■弾力性に富み、しわになりにくい
■伸び縮みしたり、形くずれすることがほぼない
■薬品、油、海水にも強い
■カビ、虫の害がない
ナイロンはこのような特徴があるので、薄くて軽く柔軟性に富んだ織物や編物を作ることができます。
染色しやすいことから、新しい素材開発が進んでいます。
ナイロンの洗濯方法
ナイロンは洗濯はしやすい素材です。通常の弱アルカリ性洗剤でOK。
ナイロンは日光で黄ばみやすいので、陰干ししましょう。
熱にはそれほど強くないので、アイロンは低温をおすすめします。
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男性用のワイシャツ、女性用のブラウスなどに使われることが多いポリエステル。
今日はポリエステルの特徴についてです。
日本国内で生産される合成繊維の生産量のおよそ半分がポリエステルです。
ポリエステルは衣類を作る上で、とても便利な素材です。
ポリエステルの特徴
- 圧倒的な耐久性
- シワになりにくい
- 吸湿性が低く、すぐに乾く
- 高い温度にも耐えられる
- 非常にリーズナブルな価格
ポリエステルのメリットはたくさんありますが、デメリットもあります。
それは毛玉ができやすいことと、静電気が起きやすいこと。
しかしデメリットを補って余りあるメリットが大きいですね。
ポリエステル製品を洗濯するときの注意点
白いワイシャツなどに使われることの多いポリエステル。
ポリエステルは最も洗濯しやすい繊維のひとつですが、ひとつ注意点があります。
それはポリエステルは再汚染が起きやすい素材であるということ。
ポリエステルの真っ白なワイシャツを洗濯したら、黒ずんでいたという経験ありませんか?
ポリエステルは、洗濯中に一度離れた汚れがもう一度付着することがあるのです。
これを防ぐには
- 汚れのひどい衣類と一緒に洗濯しない
- 洗濯機の容量にあった洗濯物の量を守る
- 洗剤の量を守る
このような注意が必要です。
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合成繊維の中でいちばんウールに近い風合いを持つアクリルについて。
セーターによく使われる素材です。
そのほかにもカットソー、肌着、靴下などの衣料から、ぬいぐるみ、毛布、カーペットなど幅広く使われています。
アクリルの原料はアクリロニトリルという石油から作られるものです。
アクリルは化学繊維ですが、化学繊維を製造するには、液状にした原料を小さな孔(ノズル)から圧力をかけて押し出し、糸の形状にしなければなりません。
この工程を紡糸といいます。
紡糸されてできたアクリル繊維でセーターなどを作るんですね。
アクリルの特徴
- ふっくら柔らかい
- 弾性回復力(元に戻る力)が強い
- シワになりにくい
- 薬品や虫に強い
- 洗濯しても縮んだり型崩れしない
アクリルとウールの違い
- 吸水・吸湿性が劣るため汗でべたつきやすい
- 毛玉ができやすい
- 静電気がおきやすい
アクリル製品の洗濯方法
洗濯表示で水洗いができない場合はクリーニング店に出すことをオススメします。
それでも自分で洗うという場合は自己責任でお願いします。
アクリル製品は洗濯機で洗うことができますが、裏返して洗濯ネットに入れて洗うのがよいでしょう。
アクリルは毛玉ができやすいので裏返したほうがいいです。
毛玉ができるのは洗濯中に他の衣類との摩擦の影響もあります。
ネットに入れて洗いましょう。
洗剤はおしゃれ着用の中性洗剤で。
アクリルは乾きやすいので脱水は短めに。
以上アクリルの特徴、洗濯方法についてでした。
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