上手なアイロンのかけ方!8つのポイント【クリーニングのプロ直伝】
クリーニング後の衣類を見て、「どうやったらこんなにキレイにアイロンがかけられるのだろう」と思ったことはありませんか?
アイロンがけが苦手という人は多く、キレイに仕上げたくても上手くいかないという方もいらっしゃると思います。
実は、アイロンかけのポイントをしっかりおさえておけば、プロのようなキレイなアイロンがけが出来るんです。
そこでこの記事では、プロの視点からアイロンがけのポイントをくわしくご紹介します。
自分の衣類にパリッとキレイにアイロンをかけたい方は、ぜひ参考にしてください。
1. アイロンがけの前に準備すること
キレイにアイロンがけをするには、洗濯の工程で準備しておくコツがあります。
まずは、アイロンがけの前にやっておくことを押さえましょう。
脱水を短めにする
脱水は、衣類から水分を抜くために必要な工程ですが、余計なシワを生む原因にも。
アイロンがけが必要な衣類の脱水は、脱水時間を短めにしましょう。
また、脱水のときに柔軟剤を入れますが、これも洗濯ジワを防ぐ効果があります。
脱水後はすぐに取り出し、シワを伸ばしてから干しましょう。
脱水後にシワを伸ばすコツは、まず衣類を大きく上下に振りさばいたあと、上からポンポンと叩き縫い目を軽く伸ばすこと。
最後にハンガーにかけて終了です。
洗濯表示タグ(取り扱い絵表示)を確認する
衣類がある程度乾いたら、洗濯表示タグを確認しましょう。
アイロン可能な衣類か・アイロンをする場合の温度などが記載されています。
表示に従って、アイロンできる衣類を分類しましょう。
【アイロンマークの見分け方】
マークの 名称 |
アイロン不可 | 低温 | 中温 | 高温 |
---|---|---|---|---|
マーク | ||||
意味 | アイロン仕上げ禁止 | 底面温度110℃を限度としてアイロン仕上げができる (スチームなし) |
底面温度150℃を限度としてアイロン仕上げができる | 底面温度200℃を限度としてアイロン仕上げができる |
画像引用元:洗濯表示(平成28年12月1日以降)|消費者庁
こちらのアイロンマークは、平成28年12月1日以降のものです。
これより古いマークは形や記載内容が違うので、記載されている表示に従って衣類を取扱ってください。
アイロンがけの基本アイテムを用意する
アイロンがけには道具が必要です。
基本のアイテムを用意したうえではじめましょう。
■アイロンがけの基本アイテム
- アイロン
- アイロン台
- 水の入った霧吹きまたはシワ伸ばしスプレー
- スプレーのり
シワ伸ばしスプレーは、アイロンの滑りをよくしシワを伸ばしやすくするものです。
霧吹きに入れた水でも代用できますが、シワ伸ばしスプレーの方がキレイに仕上がります。
アイロン用のりはワイシャツの襟や袖口など、パリッとさせたいところに部分的に使います。
どちらも、ドラッグストアなどで販売されているのですぐに手に入れることができますよ。
2. アイロンを上手にかける8つのポイント
アイロンがけの準備ができたら、さっそくはじめましょう。
上手にアイロンをかける8つのポイントをご紹介します。
洗濯の干し方にもこだわる
ワイシャツなどの型崩れが気になる衣類は、以下の手順で干すとアイロンがけがキレイにできます。
先ほど解説したアイロンがけの基本アイテムに加え、追加のアイテムもあるので、併せて確認してください。
〈型崩れを防ぐ洗い方と干し方〉
- 洗濯ネット・スラックスハンガー・古電池など重りとなるもの・ビニール袋を用意する
- ボタンがある場合は第一ボタンをとめた状態でたたみ洗濯ネットに入れて洗濯する
- 脱水は3分程度にとどめる
- 脱水が終わったら、襟と袖をピシッと伸ばし、ハンガーにかける
- 袖と前後の身ごろをスラックスハンガーで挟む
- ➄のスラックスハンガーのフック部分に、重りを入れたビニール袋をかけて干す
重りをつけたスラックスハンガーで袖と身ごろを固定すると、シャツが下に引っ張られるので、干す過程でシワが予防できます。
キレイなアイロンがけを行いたいなら、干し方にもこだわるのがポイントです。
あて布を使って衣類を守る
アイロンをかけるときは、「あて布」を使いましょう。
「あて布」は衣類とアイロンの間に入れる布で、アイロンの熱から衣類を守る効果があります。
アイロンの熱はシワを伸ばして型崩れを防ぐ効果がありますが、同時に生地へ熱ダメージを与えることがあります。
あて布を挟むことで、このダメージを軽減できるのです。
ウールやポリエステル・プリント加工など熱に弱い生地や弱い装飾がされた衣類は、アイロンが難しい衣類です。
しかし、あて布があれば、アイロンの熱による影響を最小限に抑えられるため、トラブルなくアイロンがけができます。
あて布は専用のものが販売されていますが、綿100%のハンカチやタオルでも代用が可能。
熱による色移りが起こる可能性があるため、白いものを利用するようにしましょう。
衣類が濡れている状態でアイロンをかける
衣類のシワは水分が残っている方が伸ばしやすいうえに、アイロンの熱による影響を軽減します。
アイロンがけは衣類に水分が残っている状態で行いましょう。
衣類が乾いている場合は、霧吹きやシワ伸ばしスプレーを活用してください。
生地を引っ張りながらアイロンをかける
アイロンがけを行う際は、生地を引っ張りながらかけてください。
アイロンがけをすると生地が縮みやすくなるため、引っ張りながらかけて縮むのを防止しましょう。
こうすることで、シワも伸ばしやすくなり、仕上がりをキレイにできる効果も期待できますよ。
アイロンをかけつつ片方の手で引っ張るのが難しい場合は、アイロン台の端に洗濯はさみなどで留めながら行うとやりやすくなります。
襟元や袖などの細かい部分から先にかける
アイロンがけは、襟や袖などの細かい部分から先にかけるとキレイにできます。
襟や袖などは、生地が厚い分シワになりにくいですが、身ごろなどの広い部分は生地が薄く、シワになりやすいです。
シワになりやすい部分を先にかけてしまうと、細かい部分をアイロンがけしたときの動きで再びシワができてしまうので、アイロンがけは襟や袖などの細かい部分から始めましょう。
アイロンは後ろに重心をかけてまっすぐに動かす
アイロンをかけるときは、後ろに重心をかけて先端を浮かせ気味にアイロンを動かすようにしましょう。
アイロンの先端が生地に引っかからないように動かすことで、余計なシワを防止できます。
アイロンの軌道が曲がるとそれにあわせて生地にシワができるので要注意!
アイロンがけは、後ろに重心をかけつつまっすぐに動かしてください。
アイロンをかける順番は低温の衣類から高温の衣類
アイロンは、一度高温にするとなかなか冷めにくいです。
アイロンがけをする衣類が複数ある場合は、洗濯表示に記載されている温度が低い衣類から順にかけていきましょう。
アイロンの温度が上がりきる前に、衣類の洗濯表示が低温から高温の順番になるようにかけることで、時間短縮にもなりますね。
効率的にアイロンがけをするには、アイロンの性質を理解することもポイントです。
終わってもすぐに畳まないでハンガーにつるす
アイロンがけをした衣類をすぐにたたむのは避けましょう。
アイロンがけをしてすぐの衣類は、蒸気や熱がこもっています。そのまま畳んで収納すると、衣類にカビやニオイが付く原因に。
アイロンがけをした衣類は、30分ほどハンガーにつるし、アイロンの蒸気や熱が完全に抜けてから収納してくださいね。
3. アイロンをかけられない素材と注意が必要な素材
衣類にはさまざまな生地が使われており、なかには、アイロンがけができない素材や扱いに注意が必要な生地も。
次は、アイロンがけの際に注意すべき素材についてご紹介します。
ビニール素材
ビニールは熱に弱い素材のため、アイロンをかけると溶けてしまいます。
ビニール素材が含まれる衣類は、アイロンがけは厳禁です。
ビニール素材の衣類にシワができた場合は、両手でしっかり伸ばして時間を置きましょう。
シワの癖がつかないように管理してください。
ファー素材
ファーはデリケートな素材で熱に弱いため、アイロンをかけると固くチリチリになります。
風合いが損なわれるため、アイロンは避けてください。
ファーのメンテナンスをしたい場合は、アイロンではなくドライヤーを使いましょう。
髪の毛を乾かすのと同じように、低温で丁寧にケアするとキレイにできますよ。
シルク素材
シルクはとてもデリケートな素材です。
アイロンはできるだけ避けた方がよい素材ですが、どうしても必要な場合はあて布をしたうえで、低温や中温でかけてください。
シルクは扱いがかなり難しい素材のため、家で洗濯やアイロンがけをするよりもクリーニングに任せた方が賢明です。
無理をせずに、クリーニング店に相談しましょう。
アセテート素材
アセテートは摩擦に弱い素材で、洋服の裏地などによく利用されます。
アイロンは衣類の上を滑らせて利用するため、アセテートと相性が悪いです。
できれば、アイロンがけは避けたほうがよいですが、どうしてもアイロンをかける必要がある場合は、必ずあて布をし、低温でかけてください。
ナイロン素材
ナイロンはもともとシワになりにくく、熱に弱い素材であるため、アイロンがけの必要はほとんどありません。
どうしてもアイロンをかけたい場合は、低温にして様子を見ながらかけましょう。
衣類によりアイロンへの耐久度は違います。
衣類の端などに試しでアイロンがけをし、問題ないかチェックしてから全体にアイロンがけすると安心ですよ。
アクリル素材
アクリルも、ナイロン同様シワになりにくく熱に弱い素材です。
アイロンをかける必要はあまりないため、目立つシワができない限り、そのままでよいでしょう。
どうしてもアイロンをかけたい場合は、低温でかけるようにしましょう。
あて布や試しがけをすると、より安心です。
4. アイロンはちょっとの工夫で仕上がりに差が生まれる
アイロンがけの仕上がりは、下準備となる洗濯・干し方、衣類の素材に合わせたかけ方でその仕上がりが左右されます。
洗濯からアイロンがけまでを丁寧に行った衣類は、清潔で見た目もキレイな状態を保てます。
しわがない衣類は、周囲の人からの心象もよくなるので、ぜひアイロンがけにこだわった洗濯をしてくださいね。
忙しく自宅での手入れが難しい場合は、宅配クリーニング「RE:KURI(リクリ)」がおすすめです。
リクリでは、立体成型プレス機で均一にシワを伸ばし、機械では行き届かない襟・袖周りなどは手作業でアイロン仕上げを行うので、衣類本来のシルエットを再現してくれます。
生地本来のやわらかさ、肌触りをよみがえらせてくれるので、大切な衣類は、ぜひリクリにご相談ください。