着物は男性も女性も右前に着るのはなぜ?
洋服の前合わせは男女で左右が違いますが、着物は男女とも右前に着ます。
しかし、着物は男も女も右前、つまり右側が内側にくるように着るのが習慣。
そもそもの右前、左前の「前」の意味は「手前」ということです。
左右どちら側の布を先に自分の肌に密着させるかで右前、左前という言い方をします。
自分の右手のほうの布を先に密着させるなら右前です。
着物が男女とも右前なのは、日本人は昔から右利きが多かったからだと言われていますが、本当にそうでしょうか?
確かに右利きのほうが多いですが、左利きの人も実は9人に1人くらいはいます。
いろんな説があるのですが、有力なのは奈良時代の法令によるらしいです。
奈良時代に出された法令に「右前に着なさい」というのがあるらしいです。
これは中国の思想の影響を受けていて、中国では左のほうが右より上位であったことから、高貴な人だけが左前に着て、庶民は右前に着ていたそうです。
それに、仕事をするときは右前のほうがやりやすいので、庶民は仕事をする上でも右前がよかったみたいですね。
また、死者に着物を着せるときは左前にする風習がありますが、これは死んだらみんな平等ということで、高貴な人と同じように左前にするのだとか。
着物の着かたひとつにも歴史があるんですね。