自宅でできる?失敗しない浴衣の洗い方・洗濯方法のコツ
花火大会や夏祭りなどのイベントだけではなく、夏の気分を盛り上げるためのファッションとして人気の浴衣。
汗や汚れが気になって、1回着ただけでもクリーニングに出してしまうという方も多いのではないでしょうか?
実は、浴衣は自宅で洗うこともできます。
でも、正しい洗い方をしないと色落ちしたり生地が縮んだりしてしまうこともあります。
そこでこの記事では、自宅で正しく浴衣を洗濯する方法をご紹介します。
洗濯時のコツや注意点も説明するのでぜひ参考にしてください。
1. 浴衣の洗濯をするためにそろえておきたいもの
浴衣の洗濯をするためにそろえておきたいアイテムを紹介します。
■用意するもの
- 中性タイプの洗剤 ・柔軟剤 ・洗濯のり
- ベンジンやクレンジングオイル ・タオルや柔らかい布数枚
- 木綿糸、針(襟のしつけに使う) ・大きめの洗濯ネット(畳んだ浴衣が中で動かないサイズのもの)
- 洗濯ばさみ ・針金ハンガー(干す時に襟の部分の重しとして使う)
- アイロン、アイロン台、あて布
■あると便利なもの
- 部分洗い用洗剤
- 衣料用漂白剤(部分用)
- 和装ハンガー、突っ張り棒、物干し竿
2. 浴衣を洗濯する手順
次に、浴衣を洗濯する手順を確認していきましょう。
確認必須!洗濯できる浴衣かチェックする
浴衣は家庭で洗えるものが多いですが、念のため洗濯できるかどうかを洗う前に確認しておきましょう。
洗濯表示マークを確認する
洗濯表示(絵表示)に水洗いできるマークがあれば家庭で洗濯することができます。逆に、水洗い不可の表示がある場合は、家庭で洗濯できないのでクリーニングに出しましょう。
関連記事:新しくなった「洗濯表示」全41種の見方を徹底解説
洗濯してはいけない素材
洗濯してはいけない素材には以下のようなものがあります。
・シルク(絹)が混じっている
シルクは縮みやすいので、家での水洗いはできません。
・箔加工がしてある
金箔や銀箔など、加工のある浴衣は水洗いすると箔がはがれてしまう可能性があります。
・刺繍やビーズ、スパンコールなどの縫い付けがしてある
刺繍やビーズ、スパンコールなどの縫い付けがしてあるものは、水洗いすると部分的に縮んで刺繍の形が崩れたり、ビーズやスパンコールが取れてしまう可能性があります。
・しぼり染めのもの
しぼり染めはその独特の凸凹した風合いがあり、家で洗濯することでその風合いが失われてしまう可能性があります。
・本麻染、柿渋染などの色落ちしやすいもの
非常に高級品のため、これらの素材の浴衣の場合は家で洗濯やシミ抜きをせず、クリーニング店などプロに相談しましょう。
色落ちしないか事前に確認する
浴衣は染料によっては色落ちの激しいものがあります。
特に濃色、柄物の浴衣は洗う前に必ず色落ちしないか確認しておきましょう。
色落ちの確認方法は、白い布やタオルなどに洗剤をつけ、浴衣の目立たない部分をこするか、洗剤の原液を浴衣の目立たない部分に直接つけ、5分後に白い布やタオルでおさえるという方法があります。
布に浴衣の色がついたら色落ちする可能性が高いため、他のものと一緒に洗うのは控えた方がよいでしょう。
特に、浴衣の柄の中に白や淡い色があるデザインのものは、柄の中に色移りしてしまう可能性もあるため自分で洗わずクリーニング店に相談しましょう。
シミや汚れは前処理をすると落ちやすい
汗染み以外にも飲食の際についたシミや汚れ、ファンデーションや日焼け止めなどの汚れが浴衣にはついています。
シミや汚れはクリーニングに出す場合でも前処理をすることで落ちやすくなります。
シミや汚れの種類によって落とし方が違うのでそれぞれの落とし方やポイントをご紹介します。
・油汚れ
ファンデーションや日焼け止めなど、化粧品の汚れはクレンジングオイルをつけ優しくこすることで落ちやすくなります。
バターやマヨネーズなどの食べこぼしのシミはベンジンを染み込ませた布で軽くトントンと叩くとシミが取れる場合もあります。
・水溶性の汚れ
コーヒーやジュースなど、水溶性の汚れは中性洗剤などで部分洗いをしておくとよいでしょう。
関連記事:「しまった!」コーヒーをこぼした時のシミ抜き・応急処置の方法は?
・泥汚れ
泥汚れはドライヤーなどを当ててしっかりと乾燥させ、先に泥を落とすことがポイントです。
そのあと固形石鹸をつけ、優しくこすりすすぎましょう。
いずれの場合でもシミが残った場合は、クリーニングに出すことをおすすめします。
お近くにクリーニング店がない場合やクリーニング店に持っていく時間がない場合は、ネットで簡単に宅配クリーニングに出すこともできますよ。
浴衣を洗濯する時はたたんでから
生地の型崩れやシワを防ぐため、浴衣を洗濯する時はたたんで洗濯ネットに入れて洗うのがおすすめです。
ネットに入れる際の浴衣のたたみ方は、左右の袖を合わせて身頃を縦半分に折った後、袖を身頃に重ねて、身頃部分を屏風だたみ(袖だたみ)にします。
型崩れしやすい襟の部分に糸や木綿糸などでざっくりと縫い「しつけ」をかけておくと、さらに丁寧な型崩れ防止になります。
洗濯する
浴衣を家庭で洗う場合は、手洗いで洗った方が型崩れの心配も少ないのでおすすめですが、洗濯機で洗える浴衣もあるため、それぞれご紹介していきます。
洗濯機で洗う場合
洗濯機で浴衣を洗う場合の手順は以下のとおりです。
- たたんだ浴衣をネットに入れます。
ネットの大きさは、浴衣をたたんだ時、中で動いて崩れてしまうことがないようジャストサイズになるものを選びましょう。 - 洗濯機は「ドライコース」「手洗いコース」など、優しく洗えるコースを選びましょう。
- 中性洗剤・柔軟剤などをセットしましょう。
この際使用する洗剤は、粉洗剤ではなく液体洗剤がおすすめです。粉洗剤の場合、溶け残ってしまったり、洗浄力が高いので色落ちに繋がる可能性があります。 - 脱水は30秒から1分程度で終わるようにセットしましょう。かけすぎるとシワがついてしまうため、短めにセットしましょう。
手洗いする場合
型崩れさせたくない、縮ませたくない浴衣は洗濯機ではなく手洗いをおすすめします。
特に、手縫いの浴衣や天然染料を用いた高級浴衣などは色落ちや風合いを保つため手洗いしましょう。
手洗いで浴衣を洗う場合の手順は以下のとおりです。
- 洗面台やたらいなどに水をはり、中性洗剤を溶かします。洗剤を多く入れすぎないように気をつけてください。また、熱湯やぬるま湯は縮みや色落ちの原因になるため、必ず水を使用しましょう。
- 洗濯ネットにたたんだ浴衣を入れ、ネットごとつけ込み上から両手で全体を優しく押し洗いします。
- 水をとりかえ、優しく押し洗いしてすすぎます。さらに水をとりかえてすすぎを2度行うと、より丁寧です。浴衣を水につけたまま放置すると、染色が溶け出して色落ちや色移りする可能性があるため、手早く行いましょう。
- 洗濯機の脱水機能を使って30秒から1分程度脱水をかけます。かけすぎるとシワができてしまうため気をつけてください。
洗濯機で洗った場合も、手洗いした場合も、脱水後に共通してタオル2枚で浴衣を挟んで軽く叩きながら残った水分を取ることで、乾きやすくなります。
陰干しをして乾かす
脱水が終わったら、すぐに浴衣を取り出しパンパンと叩いてシワを伸ばしましょう。
日光に当てると色あせする可能性があるため、必ず陰干ししましょう。
色落ちや色移りを防止するため、短時間で乾かすのもポイントです。
風通しの良い場所に干すか、扇風機などの風を当てるなどの工夫をするのも良いでしょう。
アイロンがけをする
浴衣のシワは残したままにせず、アイロンがけをして伸ばしてからしまうようにしましょう。
アイロンをかけるときは、「そで→えり→前身頃→背中」の順にかけるときれいに仕上がります。
のりスプレーを使うとパリッとして仕上がりがなお良くなります。
手順は以下のとおりです。
- アイロンをあてる前に手のひらで表面を平らに整えシワを伸ばしましょう。
アイロンの温度設定は、浴衣の「洗濯表示(絵表示)」を確認してください。 - 袖は前後を重ねてかけます。
- 襟の部分は裏側からアイロンをかけます。裏側にあてることで、シワがよってしまっても着るときには見えないため、裏側からあてるのがポイントです。
- 身頃も重ねてアイロンをあてますが、面積が大きいのでアイロンをかけた部分を軽くたたんでいくと、下の方をかけている時にシワになりにくいです。
- 左右両方の身頃のアイロンがけが終わったら、背中の真ん中の部分を直線にアイロンをかけましょう。
シワ部分には霧吹きをかけて湿らせてから、アイロンをかけましょう。テカリ防止として、あて布をすることを忘れないようにしてください。また、洋服用のスチームアイロンでは、洗濯による型崩れを伸ばして戻すことはできないため気をつけてください。
3. 浴衣を洗濯する時の注意点
浴衣を洗濯する時の注意点を見ていきましょう。
脱水のしすぎ・乾燥機の使用はNG
洗濯機を使用するとどうしても型崩れは起こりやすいものです。型崩れが不安な場合は手洗いしましょう。
脱水は30秒~1分程度と、長く回しすぎないように気をつけましょう。
また、生地の縮みや型崩れが起きてしまい、元の形に戻らなくなってしまうため、乾燥機の使用は厳禁です。
つけ置き洗いは色落ちの原因に
つけ置き洗いなど、長く水に触れさせていると浴衣は縮んでしまいます。
特に木綿や麻が混じっていると縮みやすいため、つけ置き洗いは止めましょう。
洗剤は中性洗剤を使うこと
浴衣には、藍(インディゴ)などの天然の染料が使われている場合が多いため、縮みにくく色落ちしにくいおしゃれ着用の中性タイプの洗剤を使用しましょう。
洗剤液がアルカリ性に傾くほど縮みやすくなるため、浴衣の色合いや形を長持ちさせるためにも、中性洗剤を使いましょう。
4. 浴衣を洗濯する際のコツは3つ
浴衣の洗い方で注意するべきことは「色落ちさせない」「縮ませない」「型崩れさせない」ことです。
浴衣の正しい洗濯方法をマスターして、次に浴衣を着る際にキレイな状態で着られるようにしておきたいですね。
自宅で洗濯することができる浴衣ですが、「色落ちしないか心配…」「洗い方・干し方・たたみ方が難しそう」といった不安もありますよね。
そんな方には、宅配クリーニングを利用してみてはいかがでしょうか?
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中でもおすすめなのは、宅配クリーニング「RE:KURI(リクリ)」。
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