服に静電気が発生しやすいのはどんな時?洗濯時の対策も紹介

UPDATE:2022.05.20
服に静電気が発生しやすいのはどんな時?洗濯時の対策も紹介

服を着るとき、静電気のバチッとした痛みに驚いたことはありませんか?

特に静電気が起こりやすい冬場は、つらい思いをされている方も多いでしょう。
そもそも、なぜ服に静電気が発生するのでしょうか。
もし防ぐワザがあれば、実践したいですよね。

この記事では、静電気が発生する原因やそのメカニズム、日々のお手入れでできる対策についてご紹介します。

1. 服に静電気が発生する原因

はじめに、なぜ服に静電気が発生するのか?その原因について見ていきましょう。
原因がわかれば、正しい静電気対策ができますよ。

異なる素材の服がこすれることで発生

静電気が発生する原因は摩擦です。2つの異なる物質や素材がこすれ合うことで発生します。

服を脱ぎ着する際に起こる静電気は、服と体、または服同士がこすれ合うことが原因です。

生き物の体を含め、多くの物質は電気を持っています。
プラスとマイナスの電気量がうまく釣り合っていると、静電気は発生しません。
しかし、2つの物質、または素材の間で摩擦が起きると、互いが持っているプラスとマイナスの電気が移動し、片方にプラスの電気が、もう片方にマイナスの電気が偏ります。
もともとは電気量のバランスが良い状態だったものが、バランスが崩れてしまい、この状態を「静電気」といいます。
静電気を帯びていることを「帯電」といい、プラスに帯電したものとマイナスに帯電したものは引き合う性質があり、反対に同じ極性に帯電したもの同士は反発し合う性質があります。

帯電したものが引き合うと、「スカートのペチコートがストッキングにピタッと引っつき離れない」といった現象が起きます。
帯電したものが反発し合うと、「セーターを脱ぐときに「バチッ」と痛みが生じる」といった現象が起きるのです。

静電気発生のメカニズム

プラスに帯電しやすい素材とマイナスに帯電しやすい素材がある

服の中にも、以下のようにプラスとマイナスそれぞれに帯電しやすい素材があります。

衣類の素材の帯電列

ナイロンとアクリルがこすれるとき、最も帯電が起きやすいといわれています。

ただし、プラス・マイナスそれぞれで同じ電気を帯電しやすい素材同士が摩擦を起こしても、静電気は起こりにくいです。
例えば、アクリルとポリエステルは互いにマイナスの電気を帯電しやすい素材です。
この素材同士で摩擦を起こしても、マイナスの電気移動しか発生しないため、静電気は起こりにくいのです。

冬場に静電気が発生しやすいのは空気が乾燥しているから

冬場は夏場と比べ空気が乾燥しているため、静電気が起こりやすい時期です。

寒い日の電車のなかで手すりにつかまった途端、バチっと静電気が起きた経験をしたことがある方も多いでしょう。

空気が乾燥しておらず、湿度が高い場所では静電気は起こりにくいです。
それは、物質の表面に付着した水分が電気を逃がしてくれるから。
このとき、物質同士が触れ合うので電気は移動しますが、表面に付着している水分により中和され、電気の蓄積を防ぐのです。

冬場の静電気対策は、とにかく乾燥を防ぐことが大切です。

2. 服に静電気が発生しやすい時

セーター袖

静電気が発生する仕組みが分かれば、どのように服を組み合わせれば静電気が発生しにくいかも分かります。
静電気が起きやすい服の組み合わせについて見ていきましょう。

反対の性質を持つ素材との組み合わせ

先にご紹介したように、服の素材にはプラスとマイナスそれぞれに帯電しやすいものがあります。
片方がプラスに、もう片方がマイナスに帯電しやすい状態になると静電気が起きやすく、以下の組み合わせは静電気が発生しやすい組み合わせといわれています。

  • ナイロンのマフラー + アクリルのセーター
  • アクリルのセーター + ウールのコート
  • ポリエステルのシャツ + ナイロンのリュック
  • ポリエステルのシャツ + ウールのコート

コーディネートを選ぶときには注意するようにしましょう。

化学繊維は水分を保持していないため静電気が発生しやすい

帯電しやすい素材に注目すると、ポリエステルなどの化学繊維は水分を含んでいないため、乾燥しやすく静電気が起こりやすい素材です。

もともと、汗をかいてもすぐに蒸発しベタつかないようにするために作られたのが化学繊維。
そのため、化学繊維に含まれる水分量はほぼ0に等しく、乾燥しやすい素材なのです。

一方で綿などの天然素材は吸水性が高いため、乾燥しにくく静電気が起こりにくい素材といえます。

3. 洗濯やお手入れで解決!服の静電気の対策方法

服を脱ぎ着するたびに、静電気が起きるのは避けたいですよね。
しかし、静電気が発生しやすい組み合わせであっても、対策をしておけば、安心してオシャレを楽しむことができます。
ここからは、静電気を防止する方法についてご紹介します。

柔軟剤を使って洗濯する

柔軟剤は服の繊維を滑らかにする効果があるため、繊維同士の摩擦を防ぐ効果があります。
服の洗濯表示を確認し、水洗いできる場合は洗濯時に柔軟剤を使いましょう。
ただし、使いすぎると服の素材を傷める場合があるため、3回に1回くらいの頻度にとどめましょう。

ウールやレーヨンなど、水洗いできない衣類はクリーニングに出すようにしてくださいね。

新しい服は一度洗濯してから着る

買ったばかりの服は、着る前に一度洗濯しましょう。
というのも、例え同じ電子が帯電しやすい素材同士でも、微量な静電気が起きる可能性があるためです。
その静電気で、細かな繊維やホコリなどの小さなゴミが付着することも。
先述の通り、柔軟剤を入れて一度洗っておくと繊維の摩擦も抑えられるので、買ったばかりの服は洗ってから着用しましょう。

クリーニング店で静電気防止加工をしてもらう

クリーニング店には、静電気防止加工を施してくれるメニューがあります。

柔軟剤にも静電気を抑える効果がありますが、プロにお願いするとムラなくきちんと施してくれるので、安心です。

お気に入りの服で、脱ぎ着するたびに静電気が気になる場合はぜひお願いしましょう。

効果が永久的に続くわけではありませんが、静電気が起きやすい秋や冬の初めに施してもらえば、1シーズン嫌な思いをせずにオシャレを楽しめますね。

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静電気除去機能がついた洋服ブラシを使う

市販されている静電気除去機能がついた洋服ブラシを活用するのも効果的です。
ブラシに静電気除去繊維を混毛しているので、ブラッシングするだけで手軽に静電気対策ができます。

クリーニングに出し静電気防止加工を施してもらったうえで、着用前に洋服ブラシを使えば、静電気防止効果がさらに期待できます。

静電気除去機能がついた洋服ブラシは、約1,000円~3,000円程で購入できます。

静電気防止(除去)スプレーを使う

市販の静電気防止(除去)スプレーを使うのもおすすめです。
スプレーに含まれた界面活性剤が空気中に含まれている水分となじみ静電気を起こしにくくします。

100円ショップでも購入でき、着る前に静電気が気になるところへ吹きかけるだけなので、取り入れやすいですね。

4. 静電気が発生しづらいコーディネートのポイント

コーディネート

最後に、静電気が起こりにくいコーディネートをご紹介します。
服を購入する際、静電気が起こりにくい組み合わせを考えつつ購入するの一つの手です。

同じ素材の服を組み合わせる

既にお伝えしているとおり、静電気はプラスとマイナスの電気が揃い帯電することで生じます。

そのため、プラスに帯電しやすい素材のみ、またはマイナスに帯電しやすい素材のみといったように、同じ素材の服を組み合わせれば静電気が生じにくくなります。

アクリルのセーターを着るならアクリルのブランケットを、ナイロンのスポーツウェアを着たらナイロンのコートを身につけましょう。

化学繊維の服には綿を組み合わせる

アクリルやナイロンなどの化学繊維には、プラスにもマイナスにも帯電しにくい綿素材の服を組み合わせるのもおすすめです。

ポリエステルのフリースの下に綿のシャツを着たり、ナイロンのタイツを履くなら綿のスカートを、インナーにはコットンを選ぶと静電気が起きにくいので覚えておきましょう。

小物との組み合わせにも気をつける

意外にも見落としがちなのが、服の上に身につける小物たち。

マフラーや帽子、リュックも静電気が起きる原因になります。
小物を身につけるときは素材を意識して選ぶと静電気が起きにくくなりますよ。

また、ウールのコートを着るなら、マフラーもウール素材のものを身につければ静電気が起きにくいです。
ウールやアクリルの帽子をかぶったときは、コンクリートの壁やドアの面など電気が通りにくい箇所を触ってから脱ぐと、静電気が起きるのを緩和できます。

5. 帯電しやすい素材を知れば適切な静電気対策ができる!

服に静電気が発生するのは、プラス・マイナスそれぞれの電気を帯電しやすい素材が摩擦を起こしたときだということが分かりました。
また、空気が乾燥した冬場も静電気が発生しやすいです。

服のコーディネートは帯電しやすい素材の組み合わせを避ける、洗濯するときには柔軟剤を使用するなど、一工夫するだけで静電気の発生を抑えられます。
また、クリーニング店での静電気防止加工や静電気除去グッズを活用することも効果的。

帯電しやすい素材や防止法を知り、おしゃれを楽しみましょう。

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