要注意!ムートンコートの手入れ方法と洗濯のやり方

UPDATE:2022.05.10
要注意!ムートンコートの手入れ方法と洗濯のやり方

独特の風合いがおしゃれなムートンコートは毛皮製品のため、取り扱いが非常にデリケートです。

汚れが気になるからといって、なんとなく洗濯してダメにしたくはないですよね。
また、大切なムートンコートをできるだけ長持ちさせたいとお考えの方は多いでしょう。

ムートンコートは熱や水・光などに弱く、正しいお手入れ方法や洗濯方法を知らないと、ムートンコートの寿命が短くなって着られなくなってしまうこともあります。

今回は、ムートン素材の特徴や着用時の注意点、お手入れ方法や洗濯方法について詳しくご紹介します。
ムートンコートを長持ちさせたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

1. ムートンとはどんな素材?

ムートンコートの手入れや洗濯方法について知る前に、まずムートンという素材の特性を知ることから始めましょう。

ムートンとは羊の毛皮を加工したもので、表側が肌触りのいい皮、裏側はモコモコした保温性抜群の構造になっているものをいいます。

ムートンには、「リアルムートン(天然羊毛)」と「フェイクムートン(人工毛)」の2種類があり、それぞれ詳しくご紹介します。

リアルムートン(天然羊毛)の特徴

羊

「リアルムートン(天然羊毛)」とは、本物の羊の毛皮を利用しているものをいいます。

保温性に優れているため、寒い冬でも暖かさをしっかりキープしてくれます。
一方で、汗を吸収し外へ逃す効果もあるため、快適に着用できるでしょう。

着るたびに独特の風合いが増すのが魅力ですが、一方で本物の皮ということもあり値段が高いというのも特徴です。

フェイクムートン(人工毛)の特徴

「フェイクムートン(人工毛)」とは人工的に作られたムートンのことで、主にフェイクファーとフェイクスエードを組み合わせて作られたものをいいます。

リアルムートンと同じく保温性に優れているほか、軽く、リアルムートンよりも安価で購入できるといった特徴があります。
また、動物性の素材ではないため虫食いやカビの被害に遭いにくく、製品によっては自宅で洗えカンタンにお手入れできるものもあります。

2. ムートンのお手入れポイント

独特な風合いが楽しめるムートンコート。
リアルムートン(天然羊毛)もフェイクムートン(人工毛)も長く愛用していくためには、日ごろから正しいお手入れをすることが大切です。

ここでは、ムートン素材をお手入れする際に注意したい6つのポイントをご紹介します。

熱を与えない

ムートンを含む革製品は、熱に非常に弱いです。

アイロンをかけたり乾燥機に入れて乾かしたりすると、熱収縮を起こし生地が傷み、破れる恐れがあります。
もし、シワがついたり水で濡れたりしてしまっても上記のような対応はせず、クリーニング店などプロにお願いするようにしましょう。

水に濡らさない

ムートンを含む革製品は水にも弱く、濡れると変色したり、水シミになってしまうことがあります。

雨や雪で濡れたり飲み物をこぼしてしまったりしたときは、まず水をしっかり切り、タオルで擦らないように優しく押すように拭きましょう。そのあとは、ハンガーに吊るして陰干しし、自然乾燥させます。

他のアイテムと摩擦させない

ムートンを含む革製品は、摩擦に非常に弱く、生地が傷みやすくなります。
意外かもしれませんが、腕時計と袖のわずかな摩擦や満員電車の他の人との摩擦にも注意が必要です。

洗濯ネットに入れる

フェイクムートンに限りますが、洗濯表示を確認して「洗濯可能」であれば、ムートンコートは自宅でも洗濯できます。

洗濯機で洗う場合は、型崩れや生地の痛みや破れを防ぐために必ず「洗濯ネット」に入れてから洗いましょう。
また、洗濯ネットに入れるのは、ムートンコートの毛が排水溝に詰まってしまうのを防ぐという理由もあります。

取扱いが非常に難しいムートンは、クリーニング店にお願いするのが一番ですが、濡れてしまいすぐに洗わないといけない場合にだけ行うようにしましょう。

光に長時間当てない

ムートンは紫外線に弱く、長時間日に当たると変色する恐れがあります。
急いで乾かしたくても、直射日光に当てて乾かさないようにしましょう。

また、蛍光灯からも微量に紫外線が発生しているため、蛍光灯の近くでムートンコートを保管するときも注意が必要です。
蛍光灯の下、もしくは日光が当たりそうな場所で長時間保管する場合は、通気性・遮光性のあるカバーをかけて保管しましょう。

光に長時間当てない

ムートンは紫外線に弱く、長時間日に当たると変色する恐れがあります。
急いで乾かしたくても、直射日光に当てて乾かさないようにしましょう。

また、蛍光灯からも微量に紫外線が発生しているため、蛍光灯の近くでムートンコートを保管するときも注意が必要です。
蛍光灯の下、もしくは日光が当たりそうな場所で長時間保管する場合は、通気性・遮光性のあるカバーをかけて保管しましょう。

化粧品や香水をつけない

ムートンを含む毛皮製品には、匂いを吸収する性質があります。
そのためムートンコートに香水や化粧品が付くと、匂いが残りやすく、シミや変色の原因にもなります。
タバコを吸うときや防虫剤を利用するときも、注意が必要です。

3. 日頃のお手入れ方法

ムートンコートは、日頃からお手入れをすることで、長持ちします。
着用していなくても、定期的にお手入れをするようにしましょう。

続いては、自宅でできるムートンコートのお手入れ方法についてをご紹介します。

埃・チリ・ゴミを除去する

ムートンコートを着用して帰宅したら、コートを脱ぎ軽く数回振ってホコリを落としましょう。
毛の間に挟まったホコリは、掃除機で吸い取ったり布団叩きで軽く叩いたりするとより効果的です。

粘着シートがついたロールクリーナーは毛が抜ける恐れがあるため、使用は避けましょう。

ハンガーにかけて陰干し

ムートンコートは、毛皮が押しつぶされないよう他の衣類とは間隔を空け、肩が太いハンガーにかけてクローゼットに保管します。

また定期的に風通しのよい場所で陰干しし、湿気を取り除きましょう。
湿気を放置したままクローゼットにしまうとカビが生える原因になります。

ブラッシングをして毛並みを整える

洋服ブラシ

ムートンコートの柔らかい肌触りと美しい毛並みを保つには、洋服ブラシによるブラッシングが効果的です。

毛の表面を傷めないよう霧吹きで少し湿らせ、優しくブラッシングしましょう。
上から下へ丁寧にブラシをかけ、できるだけ毛と毛の間に空気を通すようにし、毛並みを整えます。

ダマになっている箇所は、無理やりブラッシングしようとすると毛が抜けたり毛が傷んだりするため、優しくほぐします。

こまめにブラッシングをすることで、ホコリや匂いを落とし、風合いが長持ちしますよ。

拭き掃除をする

シーズン中でもある冬場は、ムートンコートの裏側を定期的に拭きましょう。

まず、ぬるま湯にタオルを浸してよく絞ります。
表の皮まで濡らさないよう、裏側の毛並みに沿って軽く拭きます。
最後に、洋服ブラシで軽くブラッシングをして毛並みを整えましょう。

4. ムートンコートの洗濯のやり方

ムートンコートは、洗濯表示を確認して水洗いが可能な場合は自宅で洗っても大丈夫ですが、注意事項をしっかり守って対応しましょう。
リアルムートン(天然羊毛)とフェイクムートン(人工毛)では洗濯方法が異なるため、しっかりおさえておきましょう。

部分的な汚れの場合

■リアルムートン(天然羊毛)の場合
食べこぼしなどのシミがついてしまった場合は、乾いたハンカチやタオルで軽く叩いたり、優しく押して水分を取り除きます。
そのあとのシミ抜きや洗濯は、クリーニング店にお任せしましょう。

■フェイクムートン(人工毛)の場合
軽い汚れが付着した場合は、まず約30℃のぬるま湯におしゃれ着洗剤、またはウール専用洗剤を溶かします。

洗剤を溶かしたお湯にタオルを浸し、汚れの部分を軽くたたくようにして拭き洗いをします。
汚れが落ちたら、濡れたタオルで優しく洗剤成分を拭き取りましょう。

ペンのインクや化粧品など油溶性の汚れが付着した場合は、ドラッグストアなどで購入できる「ベンジン」を使って汚れをとります。
ベンジンを含ませたタオルや毛の柔らかいブラシで軽く叩き、その後、おしゃれ着洗剤またはウール専用洗剤を含ませたタオルで拭き取ります。
拭き取った後は、濡れたタオルで優しく拭いて洗剤を落としましょう。

どうしてもシミが取れない場合はムートンを取り扱っているクリーニング店へお願いするのがおすすめです。
無理に自分でキレイにしようとすると、かえって汚れが悪化する場合があります。

家庭での洗濯のやり方

これはフェイクムートン(人工毛)のみに限りますが、フェイクムートン(人工毛)を水洗いする際は、以下の手順で「手洗い」で行いましょう。

  • 洗面器に30℃くらいのぬるま湯を入れて、おしゃれ着用洗剤またはウール専用洗剤を溶かす
  • ムートンコートを洗面器に入れて、優しく手で押し洗いする
  • 洗面器のぬるま湯を変えながら、泡が出なくなるまですすぐ
  • 洗面器に再びぬるま湯を入れて柔軟剤を入れて混ぜる
  • ムートンコートを入れて優しく押しながら柔軟剤を染み込ませる
  • タオルで包んで軽く水気を切り、洗濯機に入れて「一番弱い設定」で1分間脱水する
  • 洗濯機からすぐに取り出し、風通しのいい場所で陰干しする

干すときは、肩が厚いハンガーを使用し、専用ブラシで毛並みを優しく整えてから干してください。
また直射日光が当たらないように干す場所にも注意しましょう。

ムートンコートは非常にデリケートな素材なため、自宅で洗濯できても、ちょっとしたことが原因で型崩れや生地の痛み・破れにつながってしまうことも。
大切なムートンコートが痛むのが心配な方は、ムートンを取り扱うクリーニング店へ持っていく方が安心でしょう。

クリーニングに出す際の要注意ポイント

ムートンコートをクリーニングに出すときは、毛皮専門の「パウダークリーニング」メニューがあるか確認して依頼しましょう。

パウダークリーニングとは、油脂や色素が少ない植物の成分から作られたパウダーに洗剤を染み込ませ、洗濯機に入れてパウダーに汚れを吸着させる洗濯方法です。

毛皮にドライクリーニングを施すと、皮部分の必要な脂まで取り除かれ、生地が硬くなり破れてしまうことも。
また、毛の艶がなくなったり、パサついてしまう場合もあるので、パウダークリーニングであれば、ダメージを最小限に抑えられます。

また、クリーニングに出す前は、自身のムートンコートの色合いや破損しているところがないか、状態をしっかりと確認しておきましょう。
クリーニングに出す前と後で確認すれば、万が一ムートンコートに損傷やダメージを発見した場合に、クリーニングによるものなのかどうかがわかります。

クリーニング事故を回避するためにも、クリーニング前後の確認は大切です。

5. ムートンコートのお手入れや洗濯に迷ったらプロへ相談を!

ムートン

ムートンコートのムートンには「リアルムートン(天然羊毛)」と「フェイクムートン(人工毛)」の2種類があり、どちらも保温性と独特の風合いが魅力。
それぞれに特徴がありますが、基本的なお手入れは同じで、日頃からほこりをとったりブラッシングをしたり、水や熱、光に気をつけることが大切です。

汚れがついた際は、軽い汚れなら自分での対処も可能であり、フェイクムートンには、自宅での洗濯が可能なものもあります。
しかし、ムートンコートの風合いをそのままに長く愛用するなら、お手入れや洗濯はプロに依頼するのがおすすめです。

特にオフシーズンになったら、クリーニングに出して目に見えない汚れをしっかり落としてから、保管するようにしてください。
汚れやシミを放置したまま保管すると、カビや変色の原因につながります。
定期的なお手入れと専門のクリーニング店での洗濯で、ムートンコートを長く愛用してください。

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