ゴアテックスウェアの洗濯のコツや長く使うためのお手入れ方法を徹底解説
ゴアテックスウェアとは、防水性・防風性・透湿性に優れた「ゴアテックス」素材で作られた衣類のことです。
この素材を使った衣類を提供している有名メーカーには「THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)」や「mont-bell(モンベル)」などがあり、アウトドアを趣味とした方には馴染みがあるでしょう。
そんなゴアテックスウェアの機能を長持ちさせるには、洗濯や熱処理などの手入れを定期的に行うのがポイントです。
この記事では、自宅でできる正しいゴアテックスウェアの洗濯方法や洗濯時の注意点についてご紹介します。お気に入りのゴアテックスウェアを少しでも長持ちさせたいという方は、参考にしながらお手入れしてみてくださいね!
1. ゴアテックスウェア(GORE-TEX アウターウェア)とは?
まずは、ゴアテックスウェア(GORE-TEX アウターウェア)の特徴を見ていきましょう。
ゴアテックス素材が撥水する仕組み
ゴアテックスは「ゴアテックスメンブレン」という網目状の生地を表地と裏地で挟んでおり、単に1枚物の素材ではなく複数枚の素材からできています。
この構造のおかげで、水の粒にとっては狭く、体から発せられる湿気や水蒸気であれば通る穴ができあがります。
ウェアの表面には撥水加工を施し、「撥水基」と呼ばれる目に見えないほど小さな突起物をつけます。この撥水基によって、水を玉状にコロコロはじくのです。
さらに、汚れを防止する加工が表面にコーティングされており、防風性にも優れています。
これって劣化のせい!?ゴアテックス素材なのに濡れる理由
撥水性に優れたゴアテックス素材の服を着ていたのに、水が浸入し濡れてしまったときは、以下の原因が考えられます。
- ファスナーや紐などをきちんと閉めていないため雨が浸入した
- 汗をかいたため
- 冷たい部分に触れたため
- 座っているときなどに、衣類の中で冷えた汗などが水蒸気にならず水分になったため
- 衣類に小さな穴が開いているため(小さな穴でも水が入ってくる)
ゴアテックスの特性をうまく生かすには、適切な衣類と一緒に着るのがポイントです。汗を吸収してくれる「吸湿速乾性のアンダーウェア」などを下に着るとよいでしょう。
2. ゴアテックスウェアにはお手入れ・メンテナンスが必要
機能性に優れたゴアテックスウェアですが、メンテナンスをしないと劣化していきます。ここでは、ゴアテックスウェアには、お手入れ・メンテナンスが必要な理由について説明していきます。
ゴアテックスウェアは洗濯しないと劣化が早まる
ゴアテックスウェアは、洗濯しないと劣化が早まってしまいます。
ゴアテックスウェアの生地の縫い目は、防水加工された「シームテープ」で覆われており、皮脂や汗がたまると、このシームテープは徐々に剥がれていき防水加工が失われてしまうのです。
また、汚れで生地の表面の撥水基が倒れてしまうと撥水効果も低下してしまいます。
いずれの劣化も洗濯をすることで防ぐことができるため、ゴアテックスウェアを長く使うためには、定期的な洗濯が欠かせません。
汚れたゴアテックスウェアを放置するとどうなる?
アウトドアウェアだから生地は傷まないと思い、着用したゴアテックスウェアを汚れたまま車の中や湿気のある物置などに放置していませんか?
何もお手入れせずに放置していると、皮脂・泥汚れ・湿気が「ゴアテックスメンブレン」の穴をふさぎ、透湿性と撥水性を大きく低下させてしまいます。
また、表地の汚れや着用での生地のこすれは、表地がポコポコとふくれてしまい、型崩れを起こす原因にもなります。
ゴアテックスウェアの洗濯頻度と買い替え時期は?
ゴアテックスウェアにとって汚れは大敵なので、できる限り着用のたびに洗濯するように心がけましょう。
特に、汗をたくさんかいたとき、泥汚れがついたとき、野外料理などで油がついたときなどは、帰宅後すぐに洗濯をするようにしてください。
しかし、ゴアテックスウェアも消耗品なので、どんなに大切にしていても買い替え時期はやってきます。
買い替え時期の目安としては、縫い目を覆っているテープが剥がれたときです。テープが剥がれると、そこから水が侵入し防水性が損なわれ、快適に着ることができなくなってしまいます。
3. 【自宅で洗う】ゴアテックスウェアの洗濯方法や干し方のコツ
ゴアテックスウェアは、基本的に自宅で洗濯することもできます。
ここからは、自宅でのゴアテックスウェアの洗濯方法や干し方のコツについて解説していきます。
ゴアテックスウェアを洗濯するときの注意点
ゴアテックスを洗うときの主な注意点は、以下の3点です。
- ひどい汚れがある場合は、液体洗剤を入れたぬるま湯につけてやさしく手洗いする
- シミ抜き剤、柔軟剤、漂白剤、粉末洗剤は使用しない
- 使用する洗剤の用法用量を守る
ゴアテックスウェア専用洗剤もありますが、一般的に家庭で使っている衣類用の液体剤でも問題ありません。
ただし、ウェアなどについている「洗濯表示」タグを見て、対応可能な洗濯方法などを事前に必ず確認するように注意しましょう。
自宅で水洗いする方法
自宅の洗濯機でゴアテックスウェアを洗う場合には、以下の手順で水洗いします。
〈洗濯機で洗う手順〉
- ウェアのファスナーを全て閉めて洗濯ネットに入れる
- 中性洗剤を入れ、40度以下のぬるま湯で洗濯する
- すすぎは2回以上行う
- 脱水は短時間で軽く行うか、手で軽く絞って水を切る
- 陰干しでしっかりと乾かす
洗濯機で洗う場合は、生地が傷まないように必ず洗濯ネットに入れて洗濯しましょう。
また、すすぎ残しがあると生地を傷めてしまう可能性があるため、すすぎはしっかりするのがポイントです。
ゴアテックスは基本的に水を通さないので、脱水は短時間で軽く行うか、手で軽く絞って水を切るようにしてください。
次に手洗い方法の手順を紹介します。
〈手洗いをする手順〉
- 40度以下のぬるま湯に中性洗剤を入れる
- 軽く押し洗いし、15分ほど浸ける
- 洗剤成分が残らないようによくすすぐ
- 手で軽く絞って水を切る
- 陰干しでしっかりと乾かす
手洗いをする場合、乱暴にもみ洗いをすると生地を傷めてしまうので、やさしくゆっくりと押し洗いをしましょう。
洗濯機の場合と同様に、すすぎをしっかりとしてから干すようにしましょう。
自宅での干し方やアイロンがけのコツ
ゴアテックスウェアは必ず日陰の風通しの良いところに干すようにしましょう。乾燥機を使う場合には高温を避け、「洗濯表示」タグで対応温度などを確認してからにしてください。
完全に乾いたことを確認したら、次に、当て布をしながらアイロンをかけます。アイロンがけで熱処理することで、撥水性を復活させることができるのです。アイロンの温度は低温以下に設定しましょう。
撥水性が落ちてきた場合は、防水スプレーをするか、撥水加工のできる撥水剤配合の洗剤を使うのもおすすめです。
4. ゴアテックスウェアの洗濯時によくある質問
ゴアテックスウェアの洗濯時によくある質問をご紹介します。
シワ対策のポイントは?
自宅の洗濯機で洗う場合、洗濯機の水流をできるだけ弱くするとシワが付いてしまうのを最小限に抑えられます。「手洗いコース」「おしゃれ着コース」などで洗濯槽の回転数を抑えたコースで洗うのがポイントです。
粉末洗剤と液体洗剤のどちらを使えばいい?
ゴアテックスウェアを洗濯する際は、液体洗剤を使うようにしましょう。粉末洗剤を使うと、衣類に洗剤成分が残ってしまいやすいからです。
洗剤がウェアに残ってしまった場合、洗剤成分が湿気を引き寄せてウェアの撥水性を落としてしまう可能性があります。
1回の洗濯にどれくらいの量の洗剤を使えばいい?
1回の洗濯に必要な洗剤量は、ゴアテックスウェアの重さや洗濯に使う水の水質によっても異なりますが、ゴア社では「1回当たり1オンス(oz)/30ml」を推奨しています。「オンス」はアメリカで使用されている単位の1種で、1オンスは約28gになります。
一般的には、通常の衣類を洗うときよりも少なめや、半分ほどにすることが多いようです。これは、水になじみやすい親水性を持った洗剤の成分を、できるだけ残さないためです。
シミ抜き剤は使用可能?
仮に、ゴアテックスウェアに油などの頑固なシミがついてしまったとしても、シミ抜き剤は使わないように注意してください。
シミがついてしまったときは、液体洗剤にぬるま湯を入れて汚れが気になる部分をしばらく浸けておきましょう。その後、やさしく手洗いをしてから洗濯機で洗うとよいでしょう。
漂白剤は使用可能?
ゴアテックスウェアの洗濯には、漂白剤の使用は避けるようにしましょう。漂白剤によって、ウェアの色や機能にダメージを与えてしまうからです。
液体洗剤の中には漂白剤の成分が含まれているものもあるので、商品パッケージなどで中身を確認するように注意しましょう。
乾燥方法のポイントは?
ゴアテックスウェアは、紫外線を避けるために、日陰の風通しが良い場所にハンガーなどに吊るして干すようにしましょう。
普段の洗濯物は、日当たりの良いところに干す場合が多いので、ウェアを干す際はうっかりしないように注意が必要です。
5. ゴアテックスウェアを長持ちさせるなら宅配クリーニングの「RE:KURI(リクリ)」
ゴアテックスウェアを自分で洗濯するのに不安な場合には、クリーニング店へ依頼するのも一つの方法です。
自宅で洗濯する場合、洗剤のすすぎ残しがあれば生地が傷む原因になります。さらに、アイロンがけや乾燥機を使用した熱処理は時間がかかるなど手間も多いです。
その点、クリーニング店へ依頼すると、そのゴアテックスウェアに合った正しい洗濯をしてくれるので、機能性の回復も期待できるほか、ウェアも長持ちします。
クリーニング店の中でも宅配クリーニング「RE:KURI(リクリ)」なら、注文から受け取りまで自宅で完結!
お店へ洗濯物を持っていく時間までも短縮できるのでおすすめです。
リクリにはゴアテックスウェアを長持ちさせるためのメニューが豊富なので、具体的にどのようなメニューがあるのか、詳しく見ていきましょう。
まとめて洗濯物を出すなら「洋服パック」がおトク
アウトドアウェアは汚れる機会も多く、部分的な汚れを毎回手洗いで落としてから洗濯機で洗濯して…となると、1着ずつ丁寧に洗うのは結構手間に感じますよね。
そんなときは、リクリの「洋服パック」にまとめてお任せしましょう!
特に登山される方は、アウターやズボンを複数枚所持している方も多いと思いますので、普段は自宅で洗濯し、年に1、2回はメンテナンスとしてクリーニングにまとめて出すなど使い分けると、効率的です。
また、まとめて出した方が1点当たりのクリーニング料金が安くなるので、ゴアテックスウェアのメンテナンスと一緒に、おしゃれ着やスーツ、制服など、自宅では洗いにくい衣類と組み合わせて出すのもよいですね!
「洋服パック」の料金は以下の通りです。
【「洋服パック」衣類の点数と料金案内】
衣類の点数 | 「保管なし」コース | 「保管あり」コース |
---|---|---|
5点 | 8,525円(1点あたり1,705円) |
10,340円(1点あたり2,068円) |
10点 | 11,550円(1点あたり1,155円) |
15,180円(1点あたり1,518円) |
15点 | 15,015円(1点あたり1,001円) |
20,460円(1点あたり1,364円) |
20点 | 17,600円(1点あたり880円) |
24,860円(1点あたり1,243円) |
「保管なし」コース |
---|
5点 7,150円(1点あたり1,430円) |
10点 9,900円(1点あたり990円) |
15点 13,200円(1点あたり880円) |
20点 15,400円(1点あたり770円) |
「保管あり」コース |
---|
5点 8,800円(1点あたり1,760円) |
10点 13,200円(1点あたり1,320円) |
15点 18,150円(1点あたり1,210円) |
20点 22,000円(1点あたり1,100円) |
※9/1~2/28は「保管あり」コースを受け付けておりません。
※すべて税込価格です。
オプションメニュー「撥水加工」で撥水機能を回復させる
ゴアテックスといえば、撥水性の高さが特徴ですが、長く愛用していると次第にその効果も薄れてきます。
最初のうちは、乾燥機やアイロンで熱処理することによって撥水性が回復しますが、回復処理を行っても水の弾きが悪くなったと感じた場合は、「撥水加工」をもう一度施し、撥水性を回復させることができます。
リクリでは、オプションメニューで「撥水加工」が選べます!
市販の「撥水スプレー」よりも、クリーニング店の「撥水加工」の方が撥水力や効果の持続時間が優れているのはもちろん、自宅で行うとムラができてしまう可能性が高いので、プロに任せた方が安心です。
以下の記事では、撥水加工について詳しく解説しているので併せて読んでみてください。
クリーニングの撥水加工って?防水加工との違いやその効果について
高級ダウンなら「ダウンマイスター」へ!
GORE-TEX SHAKEDRY™ アウターウェアや、ゴアテックス素材が使用された水沢DOWNなどの高級ダウンは、高い耐水性や保温性を兼ね備えているため、特殊な縫製・接着技術で作られており、通常のクリーニングよりもていねいな処理が必要となります。
そんなときは、1着ずつ専門職人が手作業で仕上げるリクリの「ダウンマイスター」コースがおすすめです。
「ダウンマイスターコース」は、高級ダウンのプロの職人による最高峰の特別なコース!
初めに1着ずつ検品を行い、ダウンの状態や寸法を細かく記載したカルテを作成。ダウンの素材や状態に最も適切な方法で洗濯し、シミ抜き・撥水加工・色補正も行ってくれます。
洗濯が終わったら、圧縮などせずに、温度・湿度管理がされた最適な環境下で保管。自宅で保管するよりも長持ちする上、収納スペースをとりません!
ダウンマイスターコースのこだわりポイントについて、以下の記事でもご紹介しているので、併せてご覧ください。
高級ダウンは任せて安心!専門の「ダウンマイスター」へ
■ゴアテックスをご依頼いただく前に
- 接着が剥がれても製品としての仕様(寿命)ですのでご了承ください。
(お客様から了解をいただいてからクリーニングに着手しています) - 了解がいただけない場合は、返品となりますので事前にご相談ください。
※返品になると実費送料がかかります。
6. ゴアテックスウェアは定期的な洗濯で長持ちさせよう!
ゴアテックスウェアは、泥などがついた状態で放置すると機能の劣化につながります。「洗濯表示」タグを確認して洗える場合は、できるだけ洗濯をした方が長持ちします。
自宅での洗濯が不安な場合や、大切なゴアテックスウェアの洗濯で失敗したくない場合には、洗濯のプロであるクリーニング店の利用をおすすめします。中でも、宅配クリーニングであれば、依頼から集荷、仕上がりの受け取りまで自宅で手軽に行えるので、便利です。
普段は忙しくてクリーニング店に行けないという方は、この機会に宅配クリーニングの利用を検討してみてはいかがでしょうか。