石鹸は天然の界面活性剤なのでしょうか?
天然の界面活性剤というとどんなものがあるのでしょうか?
私たちの身の回りにある天然界面活性剤だと卵黄に含まれる卵黄レシチンがあります。
マヨネーズを作るときにタマゴと油が混ざるのは、卵黄レシチンのおかげです。
石鹸は天然界面活性剤と思っている人がいるかもしれませんが、石鹸は油脂とアルカリを原料として人工的に作られたものです。
では、石鹸は合成界面活性剤かというと、その性質はかなり違っています。
酸と合わさったり、薄まったりすると界面活性をすぐに失ってしまうという性質は合成界面活性剤にはありません。
初めての石鹸は、紀元前3000年頃までさかのぼります。
当時、サポーという丘の神殿で羊を焼いて神に供える風習がありました。
この羊を火であぶっているとき、落ちた脂肪が木の灰に混ざって石鹸のようなものが偶然できました。
これが石鹸のはじまりと言われています。
偶然できた原始的なものですが、現在私たちが使っている石鹸と本質的には変わりません。
石鹸は完全に天然のものというわけではありませんが、人工物の中でもかなり自然に近いものであるでしょう。
高温・高圧をかけ、さまざまな化学技術のもとに作られる合成洗剤とは、かなり性質の異なるものです。