ウールの特徴とメリット、デメリットについて|繊維の種類と特徴
ウールというのは羊の毛のこと。
私たちにとってすごく身近な素材ですね。
一般的なセーターやスーツ、ストールなどの編物のほか、敷物などの毛織物に使われています。
ウールは羊毛のことですが、メリノ種の羊の毛のことをいいます。
オーストラリア、ニュージーランド、フランスのメリノ種が有名です。
現在、世界中で飼育されている羊は約11万頭です。
そのなかで、もっともすぐれているのは、オーストラリアを代表するメリノ種の羊です。1頭からは、平均4・55キログラムの羊毛がとれます。
また、ウールは羊毛のほかに獣毛があります。
よく知られているのが、カシミヤ、モヘヤ、アルパカ、アンゴラなどを高級獣毛です。
動物の産毛(うぶげ)を使うことで、特有の柔らかい高級素材となります。
羊毛や獣毛類の毛の表面は鱗(うろこ)のような鱗片で覆われています。
髪の毛のキューティクルみたいなものです。
これをスケール又はセレーションと呼び、綿、網、麻などほかの天然繊維にはみられないウールの特徴の一つです。
ウールの特徴
- 熱伝導率が低いので、冬は暖かく、夏は涼しい
- 吸湿性に優れる
- 空気中の湿気を吸収し、水分が蒸発するときに気化熱を奪うため、夏は涼しく感じる
- 染色性が良く、色落ちしにくい
- 弾性が高く型くずれしにくい、しわになりにくい
- しわになっても、蒸気を当てると簡単に戻ります
ウールのデメリット
- フェルト状になる
水洗いすると縮んで硬くなりフェルト状になります。
獣毛の種類
モヘヤ
シルクのような光沢があるモヘヤ。手触り滑らかで強度もあります。
紡績に特殊な技術を必要とする素材です。
カシミヤ
おなじみのカシミヤ。カシミヤ山羊の毛です。柔らかくて手触りもいいですね。
キャメル
ラクダの毛です。毛の色は、暗褐色で赤味を帯びています。この毛色は、漂白しても脱色できないので、そのままの色を使うか、濃色に染色して使います。
アルパカ
ラクダ科の動物。アルパカの97パーセントがファカヤ種で、残り3パーセントがスーリー種です。
スーリー種は年間約160トンしか生産できず、超高級素材です。
ラビット
うさぎの毛を利用する品種としては、アンゴラうさぎ、家うさぎ、野うさぎがあります。
高級素材として知られるアンゴラは光沢を持ち、軽く、暖かく吸湿性が良い素材です。ソフト感もあります。
フェルト化しやすい特徴があります。