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プロに聞く洋服のお手入法

 

 

ブラウスやシャツ、セーター、着物など高級衣料品に使用されるシルク。

光沢があり、通気性、保温性に優れています。

シルクの風合いは高級感ありますよね。

今日はシルクの特徴についてお伝えします。

 

シルクの特徴

▼美しい光沢

シルクは繊維断面が三角形のため光をあてるとプリズムのように光を反射します。

 

▼肌触りがよい

シルクは繊維が細いため、肌触りが抜群です。
▼夏涼しくて、冬暖かい

シルクは熱伝導率が低いので夏は涼しく、冬は暖かい素材です。
▼素肌にやさしい

シルクは18種類のアミノ酸で構成されており、人間の肌の成分と似ています。
▼静電気が起こりにくい

保湿性が高いので静電気が起こりにくい素材です。

 

シルクのデメリット

▼太陽光に弱い

タンパク質でできているため、紫外線で変色します。

 

▼シミが出来やすい

水分に弱く、シミができやすい素材です。

 

▼摩擦に弱い

繊維が細いため摩擦に弱いです。

 

シルクの歴史

今から約4,500年前、中国の王妃、西陵がお湯のなかにまゆを落としたときに、それを箸で拾い上げようとしたときに箸に巻きついたことで絹糸を発見したといわれています。

 

これを織物にして西方諸国に輸出するため、今の長安とトルコのアンタキアまで7,000kmの道ができました。

 

これがシルクロードです。

 

当時のカイコから絹糸を製法する技術は中国ではトップシークレットの極秘情報。

 

金と同等の価値があると考えられていました。

 

日本には弥生時代に朝鮮半島から伝わりました。

 

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麻は吸湿性が高く、涼感があり、夏物衣料の定番アイテムですね。

 

最近ではシャツ以外にサマーセーターやカーディガン、カットソーなどにも麻製品が登場し、バラエティに富んでいます。

 

「麻」というのは実は1種類ではなく、長くて強い繊維が取れる植物の総称です。

 

20種類以上の特徴の異なる麻があることがわかっています。

 

衣料用として使われるのは

苧麻(ちょま・ラミー)

 

亜麻(あま・リネン)

 

です。

 

麻は、天然繊維のなかでもっとも涼しい繊維といわれ、涼やかでさわやかな着心地は夏にピッタリの素材です。

 

麻の特性

  • 水分の吸収性が良い
  • 涼感がある
  • 強度があり、水に濡れても問題ない
  • 光沢があり、触った感触がシャリシャリしている

麻のデメリット

  • 弾性が乏しいため通常の繊維よりシワになりやすい

麻の特性を良く理解し、その特性を魅力として着こなすことが必要です。

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植物繊維の代表である綿(コットン)の特徴についてお伝えします。

 

 
綿は、吸水性が高いので、タオルやTシャツなど水分を吸収させるための素材として多く使われているおなじみの素材です。

 
綿は多くの衣類に使用されています。ジーンズなどが代表的です。

 

綿の歴史

綿の原産はインドですが、アラビア商人が西方へと伝え、イタリア、スペイン経由してヨーロッパ各地に広がりました。5,000年以上も前から使われている素材です。

 

日本には平安朝初期に中国から貢物として贈られてきたのが最初らしいです。

 

現在日本における衣料用繊維の約4割は綿が占めています。

 

綿の特徴

■肌ざわりが良い

■清涼感がある

■染色性に優れ、染めやすい

■水、アルカリに強い

 

綿のデメリット

■縮みやすい

中空繊維のため、水分を含みやすく、体積が増えます。それが乾燥すると以前より縮む性質があります。

 

■毛羽立ちやすい

着用や洗濯など摩擦によって毛羽立ちやすい。

 

綿の構造

綿はきわめて微細な繊維で吸水性が高いので、綿の内側と外側で温度の差ができると、内側の水分を吸い取って、外側へ発散する性質があります。

 

そのとき熱も奪うため、すずしく感じます。

 

汗をかいたときに、汗を発散させようとするときに涼しく感じますね。

 

通気性もよいので夏にはぴったりの素材です。

 

しかし、綿は夏に涼しく着られるだけでなく、実は保温性にも優れているのです。

 

綿は繊維の中心部がマカロニのように空洞になっているので、熱が伝わりにくく放出されにくい特徴を持っています。

 

また、綿繊維には「より」があり、布地を起毛したり、パイルを立てたりすることで、繊維内に空気をたっぷり含ませることができます。

 

布地を起毛するとはこんな感じ


パイルを立てるとはこんな感じ

 

 

衣類の保温性は布地が含んでいる空気量によって決まります。

 

綿は空気を含むことができるので、冬にも暖かく着られるのです。

 

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繊維の種類

衣料用繊維の種類を分類すると下記のようになります。

繊維名 メリット デメリット






綿 吸湿性があり丈夫。熱にも強い シワになりやすく収縮しやすい
通気性がよく、清涼感がある シワになりやすく、摩擦で毛羽立つ



シルク 光沢があり、しなやか 日光で黄変、劣化する。虫害にあいやすい
ウール 保温効果が高く弾力性がある 縮みやすく、虫害にあいやすい


テンセル 熱に強く、染色性に優れる 収縮しやすい






レーヨン 光沢があり、着心地がよい 水に弱くシワができやすい
キュプラ 吸湿性がよく、縮みにくい 摩擦により毛羽立ちやすい
ポリノジック レーヨンより強く、アルカリに強い シワになりやすい




アセテート 光沢があり、シワになりにくい 吸湿性が低く、変色しやすい
トリアセテート 熱に強く、弾性に富む 吸湿性が低い
プロミックス シルクに似た光沢がある 熱に弱く扱いにくい



アクリル 羊毛に近い風合いがあり、カビ・虫に強い 熱に弱く、日光で変色しやすい
ポリエステル シワになりにくく非常に強い素材 吸湿性が低く染色しづらい
ナイロン シワになりにくく弾性が強い 日光で変色しやすい
ポリウレタン 伸縮性が大きく、強くて丈夫 摩擦に弱く、2~3年で劣化する

 

植物繊維

植物繊維は綿と麻が一般的に知られています。綿は肌触りがよく、吸水性のある素材として親しまれています。また、麻は清涼感のある夏向きの素材として知られています。

 

動物繊維

動物繊維は、、絹(シルク)、羊毛(ウール)、そして、その他の獣毛繊維の三つに分けることができます。獣毛繊維、羊毛、 カシミヤ山羊、ラクダ、モヘア、 アルパカ 、 アンゴラなどがあります。

 

指定外繊維

指定外繊維で有名なのはアコーディスファイバー社の商標名“テンセル”、レンチング社の商標名“レンチングリヨセル”です。
成分はレーヨンや綿と同じセルロースで構成され、基本性能も同じですが、レーヨンより強く、水につけても膨張しないなどの特徴があります。

 

再生繊維

再生繊維とは、レーヨンやキュプラのようにパルプ(木材のくず)や 綿花のくずなど天然に存在するもののセルロースを、溶かして繊維に再生したものです。

 

半合成繊維

半合成繊維とは、合成繊維と再生繊維の中間的なもの。セルロースなどの天然の高分子物質を化学的に処理してエステルなどの形に変え、繊維にしたものです。

 

合成繊維

合成繊維とは、綿や絹などの天然繊維に対し、純化学的に合成された高分子からできた繊維のことです。

 

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ニットのセーターなども最近は
ご家庭で洗濯される方が増えているようですね。

 

家庭でニットのセーターを洗濯して
縮んでしまった!という方が、

 

「なんとかならないでしょうか?」

 

と当社の店舗へ持ってこられることも
たまにあります。

 

どんなものでも洗濯すればある程度の傷みは発生しますが、
特にニットは傷みやすい素材です。

 

今日はニット製品を家庭で洗濯するときの注意点をお伝えします。

 

あ、でも大切なニット製品はクリーニングに出すようにしてくださいね。

 

ニットのお洗濯にはエマールやアクロンなど中性のおしゃれ着洗い用洗剤を使ったほうがいいでしょう。

 

塩素系漂白剤は使わないほうがいいです。

 
■シミや汚れをチェック

襟、袖の汚れやシミなど、目立つ汚れをチェックして先に前処理をしておきましょう。
前処理は、とくに汚れがひどい場合に行ないます。

 

先に洗剤入りぬるま湯にひたし、力を入れすぎないよう注意しながら、汚れ部分をつまんで汚れを押し出すように洗っておきます。

 

■色落ちチェック
シミがあって落としたい場合は酸素系の漂白剤を目立たない部分につけてみて色落ちテストをしてから使いましょう。

 

ニットはどれも、色落ちしやすいので注意してください。

 

大切なものはクリーニングに出すようにしたほうがいいですよ。

 
⇒ ニット製品を洗濯機で洗うときの注意点 に続く

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