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プロに聞く洋服のお手入法

暖冬といわれながら、突然寒くなりましたね。今週末は最強の寒波がやってくるとか。

 

ダウンやコートなど冬物衣料をやっと出してきたという人も多いかもしれませんね。

 

さて、今日は冬物衣料で使われるコットン(綿)製品について。

 

夏の熱いときに着る衣類の代表といえばTシャツですね。

 

Tシャツはほとんどがコットンで作られています。

 

夏の衣類に使われるコットンは、実は冬物衣料にも使われています。

 

コートやトレーナーなどもコットンでできているものがあります。

 

夏は涼しく着れるのに、冬には暖かく着れるコットンは衣類の万能選手です。

 

コットンはなぜ夏でも冬でも使われるのでしょうか?

 

それはコットンの形状に秘密があります。

 

綿繊維は中心が空洞になっています。


出典はコチラ
http://www.marusyosangyo.jp/kawariito/cotton.htm

 

中が空洞ということは、空気があるということです。

 

空気は熱伝導性が低い性質があります。

 

熱伝導性が低いというのは、熱が伝わりにくいということです。

 

夏のTシャツなら外からの熱を遮ってくれます。

 

冬物衣料にコットンを使うときは、生地の厚さが違うこともありますが、冬にコットン製品を着ると、繊維に空気が含まれているため、体温を外に逃がしにくくなるからです。

 

洗濯もしやすいコットンですが、水洗いを繰り返すと縮む素材なので、お気に入りの服のお手入れはクリーニングに出してくださいね。

 

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このブログでは、いろいろな線維の特徴についてお伝えしてきましたが
⇒ 繊維の種類をまとめました(特徴、メリット、デメリット)

そもそも、線維って何?線維と糸って違うの?ということを掘り下げてみたいと思います。

 

線維と糸って同じもののように思ってしまいますが、線維と糸は違います。

 

「線維」が集まって長く繋がったものが「糸」です。

 

繊維や糸は様々な種類があり、その形状の違いで生地の性質や服の質感が変わってきます。

 

繊維には2つの種類があります。

 

短繊維・・・ワタ状になった短い繊維

 

長繊維・・・釣り糸のように細長くつながった繊維

 

ウールや綿、麻は短繊維です。シルクは長繊維ですが、あえて短繊維にして糸にすることが多いです。

 

化学繊維は長繊維ですが、これも短く切って短繊維にしてから糸にすることが多いです。

 

「それが何?」と思うかもしれませんが、繊維の形状が違うと服の見え方もデザインも変化します。

 

どのシーズンに適しているか、取り扱い方法なども変わります。

 

優秀なデザイナーさんは、繊維の特性を熟知しています。

 

その特性を生かすためにどのような糸にすればいいかを考えて、自分が考えるデザインの服が作れるかどうかまで考えています。

 

繊維や糸について知ることは、見た目のデザインだけでなく、衣類の内側についても理解できます。

 

そうすると適切なメンテナンスができるようになりますね。

 

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糸は大別すると2種類に分かれます。

 

フィラメント糸とスパン糸です。

 

フィラメント糸

長い繊維をそのままの長さの状態で糸にしたもの。

 

魚釣りに使う糸はフィラメント糸です。

 

繊維をそのまま糸として使えるので撚りはあまり必要ないです。

 

フィラメント糸を使った生地は、なめらかな光沢が出るという特徴があります。

 

天然繊維ではシルクがフィラメント系です。

 

シルクで作られたドレスなどに美しい光沢があるのは、フィラメント糸だからです。

 

化学繊維のフィラメントで作られた生地は、ストッキングやタイツなどのような製品に使われます。

 

また、釣り糸のようなフィラメント糸は強度が必要なので、強い糸になるように作ります。

 

しかし強度の必要な糸で服を作ると肌を刺激しますので、服には柔らかく細いフィラメント糸を何本も引き揃えて使います。

 

スパン糸

スパン糸は紡績糸とも言われます。

 

短繊維を平行に引きそろえながら細くし撚りをかけて糸にします。

 

短繊維は撚りをかけることで初めて糸になります。

 

撚りを掛けることで繊維同士が絡み合い、締め付けあって滑りにくくなり、引っ張っても繊維が抜けない糸としての形と強さが生まれます。

 

スパン糸は撚りを強くしたり弱くしたりすることによって、特性や品質を変えることができる糸です。

 

長繊維をわざわざ切って、ワタ状にしてスパン糸にするのは、フィラメント糸にはない質感を作り出すためなんですね。

 

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スパン糸は撚りの強さを変えることで、生地の特性や品質が変わります。

 

スパン糸で撚りの回数の少ないものを甘撚りと言います。

 

甘撚りの糸は柔らかくニット用の糸などに使われます。

 

甘撚りの糸で作られた生地は柔らかく、空気を含みやすいので保温性が高く、秋冬物に使われます。

 

ただ、撚りが甘いということは、繊維同士の絡まり方が弱いということですので、荒い使い方をすると、糸が切れて破れたり、擦り切れやすいという弱点があります。

 

また、着たときの摩擦で毛羽立ち、毛玉ができやすいのも難点です。

 

一方、撚り回数の多い糸は強撚(きょうねん)と言います。

 

滑らかでハリ、コシがある糸になります。

 

強撚になると細い糸を作ることができるので、薄手のものを作るときに有効です。

 

通気性がよく、涼しい服を作ることができます。

 

ウールであれば、吸湿性や放湿性があるため、さわやなかな使用感になります。

 

ウールの強撚で作った糸は夏用のスーツ素材に使われることが多いです。

 

強撚の糸は、甘撚りの糸に比べて密度が高くなるので、同じ太さの他の糸に比べて重くなって、下に落ちようとする力が強くなります。

 

そのためドレープ性にすぐれます。

 

強撚の糸で作った生地で作ったドレスは、体の線に沿うような美しいシルエットを出しくれます。

 

強撚糸で作られた生地は、撚り縮みが起こっているので、水洗いやスチームアイロンによって収縮してしまうことがあります。

 

強撚糸で作られた生地の服が夏物でも水洗いができず、ドライクリーニングのみになっているのはそのためです。

 

アイロンがけをするときも、スチームは少なめにするのがポイントです。

 

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番手

糸の太さを表す表現に「番手」というものがあります。

 

正確に言うと、太さではなく、

 

「番手」とは一定の重さに対して、長さがどれくらいあるかを表す単位です。

 

重さ1kgに対して、その糸の長さが1kmのものを1番手といいます。

 

例えば、1kgのウールの糸が巻かれたものが3種類あるとします。

 

この巻かれた糸をほどいていったときに、1kmの長さになれば「1番手」です。

 

5kmの長さになれば「5番手」

 

10kmの長さになれば「10番手」ということです。

 

同じ重さですから、一般的には長くなるほど糸が細いということですね。

 

だから、数が大きくなるほど細い糸となります。

 

ただ、撚りが甘いとふんわりしてて太くても軽いし、撚りが強いと密度が高いので細くても重いということになるので、同じ番手でも太さは違ったりします。

 

番手は太さの目安なだけで、同じ番手でも見た目の太さは違う。

 

ということです。

 

基本的に、厚地には太めの縫い糸を、薄地には細めの縫い糸を使いますが、ステッチやしつけのように生地の厚さに関係なく使われる場合もあります。

 

また特に強さを要求される部分だけに、太めの縫い糸を使うこともあります。

 

用途に応じて使い分けているんですね。

 

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