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プロに聞く洋服のお手入法

スパン糸は撚りの強さを変えることで、生地の特性や品質が変わります。

 

スパン糸で撚りの回数の少ないものを甘撚りと言います。

 

甘撚りの糸は柔らかくニット用の糸などに使われます。

 

甘撚りの糸で作られた生地は柔らかく、空気を含みやすいので保温性が高く、秋冬物に使われます。

 

ただ、撚りが甘いということは、繊維同士の絡まり方が弱いということですので、荒い使い方をすると、糸が切れて破れたり、擦り切れやすいという弱点があります。

 

また、着たときの摩擦で毛羽立ち、毛玉ができやすいのも難点です。

 

一方、撚り回数の多い糸は強撚(きょうねん)と言います。

 

滑らかでハリ、コシがある糸になります。

 

強撚になると細い糸を作ることができるので、薄手のものを作るときに有効です。

 

通気性がよく、涼しい服を作ることができます。

 

ウールであれば、吸湿性や放湿性があるため、さわやなかな使用感になります。

 

ウールの強撚で作った糸は夏用のスーツ素材に使われることが多いです。

 

強撚の糸は、甘撚りの糸に比べて密度が高くなるので、同じ太さの他の糸に比べて重くなって、下に落ちようとする力が強くなります。

 

そのためドレープ性にすぐれます。

 

強撚の糸で作った生地で作ったドレスは、体の線に沿うような美しいシルエットを出しくれます。

 

強撚糸で作られた生地は、撚り縮みが起こっているので、水洗いやスチームアイロンによって収縮してしまうことがあります。

 

強撚糸で作られた生地の服が夏物でも水洗いができず、ドライクリーニングのみになっているのはそのためです。

 

アイロンがけをするときも、スチームは少なめにするのがポイントです。

 

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番手

糸の太さを表す表現に「番手」というものがあります。

 

正確に言うと、太さではなく、

 

「番手」とは一定の重さに対して、長さがどれくらいあるかを表す単位です。

 

重さ1kgに対して、その糸の長さが1kmのものを1番手といいます。

 

例えば、1kgのウールの糸が巻かれたものが3種類あるとします。

 

この巻かれた糸をほどいていったときに、1kmの長さになれば「1番手」です。

 

5kmの長さになれば「5番手」

 

10kmの長さになれば「10番手」ということです。

 

同じ重さですから、一般的には長くなるほど糸が細いということですね。

 

だから、数が大きくなるほど細い糸となります。

 

ただ、撚りが甘いとふんわりしてて太くても軽いし、撚りが強いと密度が高いので細くても重いということになるので、同じ番手でも太さは違ったりします。

 

番手は太さの目安なだけで、同じ番手でも見た目の太さは違う。

 

ということです。

 

基本的に、厚地には太めの縫い糸を、薄地には細めの縫い糸を使いますが、ステッチやしつけのように生地の厚さに関係なく使われる場合もあります。

 

また特に強さを要求される部分だけに、太めの縫い糸を使うこともあります。

 

用途に応じて使い分けているんですね。

 

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服の染め方は大きく分けて2種類あります。

 

生地全体を同じ色に染める浸染(しんぜん)

 

部分的に染色して模様を染め出す捺染(なっせん)

 

です。

 

生地全体を同じ色に染める浸染は、染料が溶けた液の中に浸し、その繊維に適した染料と温度、時間で染色します。

 

先染めと後染めとがあります。

 

先染めとは糸の段階で染めること。

 

後染めとは生地や服にした後で染めることです。

 

一般的には先染めのほうが生産期間が長くなります。

 

生地になる前の糸の段階で染めてから織ったり編んだりして生地を作るからです。

 

後染めは染色前の織物を染めるだけですから、それほど時間はかかりません。

 

後染めなら注文後1週間から10日で納品されますが、先染めなら早くても1ヵ月くらいかかるという感じです。

 

企画・生産期間が短いと、後染めできる無地ものの企画が増えてしまいます。

 

服を生地から作ってオリジナリティをアップさせるためには、十分な生産期間が必要になります。

 

ここ最近のファストファッションの流行で、商品が画一化する可能性が高くなっています。

 

個性的でこだわりの強い服が好きな人には寂しい時代になったかもしれません。

 

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シルクに似た光沢・手触りが特徴のレーヨン。

 

上着の高級裏地として使われたり
婦人用肌着などにも使われています。

 

最近ではレーヨンのシャツも多いですね。

 

レーヨンは化学繊維の中の再生繊維の一種です。

 

紙と同じ木材パルプが原料となっています。

 

レーヨンは高価なシルクを人工的に作ろうとしてできた素材です。

 

レーヨンとは「光る糸」という意味なのですが
なかなかうまいこと言うな~という感じですね。

 

さて、今日はそんなレーヨンの特徴です。

 

レーヨンの特徴

 

  • ドレープ性に優れている

 

※ドレープとは「優美にまとわせる」という意味です。ダンスなどで回ったりした時に綺麗に拡がる性質がドレープ性です。逆にいうと「コシがない」素材ということになります。

 

  • 涼感があるので夏にぴったり

 

レーヨンのデメリット

  • 水に弱い

 

レーヨンはとにかく水に弱い素材です。

 

水分を含むと糸が太くなり糸同士が引っ張る力が強くなるため縮みやすい素材です。

 

うっかり家庭で水洗いしたときには、大人サイズが子供サイズくらいまで縮むことがあるので注意です。

 

  • 摩擦に弱くシワになりやすい

 

シワはアイロンで伸ばせますが、水に弱いのでスチームアイロンは厳禁です。必ず当て布をして、スチームは使わずに!

 

レーヨン素材は家庭での洗濯は難しいですね。

 

レーヨンを使った高価なシャツなどはクリーニングに出すことをおすすめします。

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スーツの裏地に使われることの多いキュプラ。

 

 

レーヨンと似た素材です。

 

レーヨンの原料が木材パルプであるのに対し、キュプラの原料はコットンリンターです。

 

コットンリンターとは、綿花を採取した後の綿実の表面に密生している2~6mmの繊維のことです。

 

出典 https://www.asahi-kasei.co.jp/fibers/bemberg/what/materials.html
キュプラとは「銅」の意味なのですが、名前の由来は製造方法によります。

 

原料を酸化銅アンモニア溶液に溶かし、これをギャーポンプで凝固液中に押し出す銅アンモニア法という製法によって製造されているので、「銅」を意味するキュプラと名づけられました。

 

キュプラの特徴

  • 吸湿性、放湿性がある
  • 静電気が起きにくい
  • やわらかくしなやかで、ドレープ性がある

 

※ドレープとは「優美にまとわせる」という意味です。ダンスなどで回ったりした時に綺麗に拡がる性質がドレープ性です。逆にいうと「コシがない」素材ということになります。
キュプラのデメリット

 

  • 摩擦に弱く毛羽立ちやすい

 

シミがついたときにこすると毛羽立ちます。
キュプラ製品の洗濯方法

 

キュプラ素材の衣類をお持ちの方は洗濯表示を見てください。

 

このように水洗いができないものがほとんどです。
基本的にはクリーニングに出した方が無難です。

 

もし家庭で洗濯するのであれば、中性洗剤を使用し、30度程度のぬるま湯で手洗いが基本です。

 

すすぎのときも同じくらいの温度のお湯を使いましょう。

 

洗濯機は使わないほうがいいでしょう。

 

脱水はバスタオルで衣類を押えるようにして水分を取り、陰干しをおすすめします。

 

レーヨンほどではありませんが、キュプラも縮みに気を付けなければならない素材です。

 

お気に入りの衣類はクリーニングに出すようにしてくださいね。

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